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50話 足元のお留守番が仕事を放棄してパラパラ踊ってんぞぉ。

コミカライズ版センエース、

12話配信記念!!

1日10話投稿!


本日の2話目!



 50話 足元のお留守番が仕事を放棄してパラパラ踊ってんぞぉ。


(ワシかて、別に、何でもかんでも最初から完璧にできる訳やないねん。自由に動けとるだけ褒めてくれや)


(その程度で、褒められると思うなよ。100点満点のテストで100億点とっても、『え、1000億点とれなかったの? なにやってんの? 寝てたの?』と怒られる。それがお前の人生だ。もう、お前が、俺からほめられることはない! 何を成しても虚無! はっはー、ざまぁみろ)


(賞賛はいらん。賛美も不要。ワシはただ、悪を裂く一振りの剣であればええ。ぶっ壊れ、ゆがんで、腐っても、それでも、無くさなかった全てを集めて、最後の最後まで抗い続けるだけ)


(なに、そのダサいセリフ。トレンディじゃなさすぎて、チョベリバなんだけど)


(……お、おう)



 ★



 存在値で言えば、

 センのダブルが120兆ぐらいで、

 田中のダブルが150兆ぐらい。


 ご覧の通り、出力で言えば田中の方がかなり上なのだが、しかし、戦闘力になかなかの差があるので、しっかりと五分だった。


 センエースの防御性能が、ここ30億年で急成長した影響がモロに出ている。

 30億年かけて、『現時点におけるダブルでの最高出力』に慣れたというのも大きい。


 センエースとのガチンコの戦いを通じて、田中の戦闘力もガシガシ上がっているが、流石に数年やそこら縮まる距離じゃない。


(おらおら、どうした、田中さんよぉ! 足元のお留守番が仕事を放棄してパラパラ踊ってんぞぉ!)


 心の中で煽りながら、

 センは、


「深淵閃風」


 水面蹴りで田中の足を払うと、

 そのまま、転倒した田中の顔面に、


「閃拳!!」


 凶悪な一撃を叩き込む。

 まともに受け止めた田中の顔面が余裕で陥没。


「け、けっほんいふはんふ にへん(欠損治癒ランク2000)」


 ギリギリの詠唱でどうにか回復魔法を『詠唱バフあり』で発動させる。

 すぐさま回復するのだが、

 また、すぐ、ボコボコにされる田中。


 一方的な展開に気をよくしたセンが、

 主人公とは思えない、ゲスの極み満面の笑みで、


(弱い、弱いよ、田中さん! そんなんじゃダメじゃないか! 天才であるお前が、俺みたいな、どこにでもいるモブにボコられるなんて、情けない! それでも田中ですか! 軟弱者! 恥知らず! 鬼の子!)


(これ幸いとばかりに、今日までに貯めてきたワシへの鬱憤を思う存分吐き散らかしてくれとるのう)


(どうせ、どっかのタイミングで抜かれるのは目に見えてるからなぁ! ちょっとでも上回っている今のうちに、できるだけ、マウントポイントを稼いでおく! さあ、俺の怒りと悲しみを思いしれぇええええええ!)


 と、突貫した一撃を、

 田中は、


(ん ちょっとだけ見えてきたな)


 まあまあ華麗にサバいてみせた。


 『見えてきた』という発言の直後ぐらいから、

 田中は、別領域の動きを見せ始める。

 明らかに、ムーブの質が変わってきた。

 どうやら、ダブル運用のコツみたいなものを理解し始めた模様。


 その様子を、

 高潔の擬人化であるセンは、

 血の涙を流さんばかりのラリった顔面で睨みつけていた。


(はぇえよ、いくらなんでもぉおおおっ!)


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