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44話 さて、今夜もはじまりました。センエースの危険がデンジャラス。


 44話 さて、今夜もはじまりました。センエースの危険がデンジャラス。


「毎晩、帯で放送し続けてきたこのラジオ番組『センエースの危険がデンジャラス』。好評いただけておりましたが、総合司会の私の心が折れてしまいまして、残念ながら、今夜で最終回となってしまいました。けど、センエースロスにはならないで。大丈夫。皆さんの心の中で、俺は、ずっと、あなたからの『お便り』を読み続けることでしょう。では、さようなら。また、合う日まで。今夜のお相手も、あなたの心に舞い散る閃光、センエースでした。ハブァ、ナイスデェ」


「……おい、これ、どうした。完全に壊れとるやないかい」


 ループ直後、飛んだ目で、独自のラジオ番組の最終回を、虚空に向かってレコーディングしているセンの背中を見て、恐怖を覚える田中さん。


 センは、そんな田中の恐怖にシカトを決め込み、


「さて、今夜も始まりました。『センエースの危険がデンジャラス』。メインパーソナリティを務めるのは、皆さんご存じにしてお待ちかね、舞い散るぅぅっ、閃光ぉおおっっ、センエェェェェスッッ!」


「さっき最終回を迎えてなかった? あと、今、朝やで」


「さっそくお便りいただきましたので、読んでいきましょう。ペンネーム『モンジン』さん。ええ、『疲れました、死にたいです』……重たいメールをいただきましたねぇ。おそらく、明日あたり自殺していることでしょう。結構なことです。みんな死ねばいいんです。モンジンさんには、番組オリジナルステッカーを差し上げます。では、続きまして、ペンネーム『カドヒト』さん。『もう無理です。死にます』……またまた、重たいメール、ありがとうございます。迷わず死んでください。誰も止めませんので。ええ、続いて――」


「おい、もうええて。目ぇさませ」


 と言いながら、センの頬に往復ビンタをダースで叩き込む田中。

 しかし、いくら、激しい暴力を叩き込んでも、

 センの目は飛んだままだった。

 もはや、『攻撃』に対して感情を失っているよう。

 ずっと、『無抵抗で死に続けた弊害』がモロに出ている。


「さて、今夜も始まりました。『センエースの危険がデンジャラス』。メインパーソナリティを務めるのは、皆さんご存じにしてお待ちかね、舞い散るぅぅっ、閃光ぉおおっっ、センエェェェェスッッ! 今夜も始まりました。『センエースの危険がデンジャラス』。メインパーソナリティを務めるのは、皆さんご存じにしてお待ちかね、舞い散るぅぅっ、閃光ぉおおっっ、センエェェェェスッッ! 今夜も始まりました。『センエースの危険がデンジャラス』。メインパーソナリティを務めるのは、皆さんご存じにしてお待ちかね、舞い散るぅぅっ、閃光ぉおおっっ、センエェェェェスッッ!」


「……こわい、こわい、こわい」


「皆さんのお耳の恋人。MCセンエースがお送りする危険がデンジャラス。今日も今日とて、力こそがパワーで、頭も痛いということでね。ま、やらせていただいているわけですけれども――」


 ヤバさ全開のセンだったが、

 しかし、


「30分経過だ、セン」


 キッチリと30分が経過したタイミングで、

 ヨグナイフが、センの額にブスっと突き刺さる。


 その瞬間、センは、イっちゃっていた目を、ギロっと、熱のある目に戻して、


「――究極超神化3」


 変身の上に、さらに、


「真醒・究極超神化」


 変身を重ねて、ダブルと向き合う。


 完全に正気ではないし、

 精神は、事実、かなり歪んできている。


 しかし、それでも、己がたてた『誓い』からは目を背けない。



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