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41話 命の王は偉いんだ。知らんけど。


 41話 命の王は偉いんだ。知らんけど。


「ないとは思うが、もし、俺がアラームのセットをミスったときは、どんな方法を使ってもいいから、30分が経過した段階で、たたきおこせ。いいな。――返事はどうしたぁ! 俺が命令したら、『はい』か『イエス』かのどちらかを、喉を殺す勢いで叫べ。常識だろう、バカどもが」


「なんで、お前のミスのカバーをどうするかの話で、お前が、この上なく偉そうにしてんねん」


「決まっているだろう。俺が命の王だからだ。命の王は偉いんだ。何がどうとはいえんし、何をする職業か一ミリも理解してないが。……というか、貴様、反抗的だな。たかだか、正統なる銀河の支配者ふぜいが、ちんの前で偉そうにするとは言語道断。極刑に処す。自害せよ」


「……もし、アラームセットをミスったときは、眼球をほじくるという手法で起こしたるから、覚悟しとけよ、命の王」




――最初は、とにかく、強化したドリームオーラで、『確実に3000回の残機を守り切る』ということを徹底した。

10回、100回、1000回と、ドリームオーラと向き合い続ける10年を、何度も何度も繰り返した結果、

ドリームオーラのスペックが、限界を超えて、どんどん底上げされてきた。

『1回死ぬ』だけでも、普通に1・2年がかりになってきた。

 もはや、『3000回もの残機が削り切られる』ということは、『絶対にありえない』という状態になってきた。


こうなってくると、センは、『次の段階』に入っていく。


(この、『動けない』のを、さっさとどうにかしないとなぁ……これが、単純にしんどいんだよ……)


『ドリームオーラを磨き上げる』という作業は継続したまま、

どうにか、少しでも動けるようにと、いろいろ試してみるセン。


 そんな中で、センは根底の疑問と向き合う。


(しかし、なんで、こんな動けんかね……出力が高いから? 重たいから? それも、もちろん、動けない理由の一つなんだろうけど、なんか……それだけじゃない気がしてきたな……)


 かなりの時間が経過してから、

 センは、ようやく、


(……無意識に、制御しすぎている……のか?)


 現状を打開するための『とっかかり』を見つける。


(なんか、『ヒカル〇碁』で、そういうエピソードがあった気がするなぁ……サイの強さにビビって、踏み込めなくなるみたいな……)


 あまりにも、多くの絶望を体験しすぎた結果、

 無意識に、魂魄の全てが、恐怖ですくんでしまうようになっている。

 それが、停滞の原因――の一つであると推測するセンエース。


(そういう精神性のものもそうだし、肉体の方でも、同系統の歪みが生じている……これは……いわゆる、イップスだな……)


 同じ動作を繰り返し練習するスポーツ選手に多くみられる症状。

 医学的には『動作特異性ジストニア』と呼ばれる症状の一つ。

 筋肉や骨には何の異常もないのに、『己の体躯』を思い通りに動かせなくなる。


(スランプ的なイップスでもあるし……リハビリが上手くいっていないタイプのイップスでもある気がするな……)


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