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34話 びっくりするぐらい動けない。



 34話 びっくりするぐらい動けない。


 ダブル変身をすると、センエースの全身を、暴力的なエネルギーの波動が包み込む。


「う、ぉおおおっ」


 膨れ上がった自分の出力に驚きを隠せないセン。


「ちょ、これ……動けないん……だが……え、これマジ? マジで言ってる? ガチで動けねぇって」


 と、困惑しているセンを尻目に、

 田中は、ソっと取り出した一枚の魔カードを破り、ボソっと、


「――だるまさんがころんだ――」


「?! ちょ、そこのクソやろう、何した、今! 禁止魔カード使ったろ! どういうやつだ! 今度は、どんないやがらせをかましやがった! 許さないかんな! 絶対に許さないかんな!」


「お前の変身を解除できんようにした。こういう強制系は効果が下がるからなるべく使いたくないんやけど、今回ばかりは、流石に、強制の方がええかなぁと思うて」


 実は、3だけで戦わなければいけない時も、田中は、これを使おうかと考えていたのだが、あの時は、センがしっかりと頑張ったので自主性に任せた。


「うわぁあ! マジで変身解除出来ねぇ! 嘘だろ! ぐっ、ナメんなよ! 真醒・裏閃流奥義! 閃拳!」


 と、叫びながら、自分を殴ろうとしたが、ピクリとも動かない。


「じ、自分を殴ることすらできんとか、どんだけ」


「最初に言うとくと、仮に、真醒閃拳で殴れたとしても、解除はできへんで」


「俺の拳はバグを貫ける! 禁止魔カードなんか、格好の的!」


「今回の『だるま』でやったことは、お前の強化やからなぁ。将来的には、融通もきかせられるようになるかもしれんけど、今のお前の拳は、『敵にとって有利なバフ』を殺すぐらいしか出来ん。というわけで、お前自身の強化には対応不可。今後、たくさん訓練して、どんな状況にも対応できるように鍛えましょうねぇ」


「……ぐっ……」


「今回から、常にこの状態で、ワシらと戦ってもらう。言うまでもないけど、3000回以上殺されたら、お前の配下が残機になるから、そのつもりで」


「このセンエースが、動けんと言っているのだ! 聞け! 天才! 俺! 今! 動けない! オーケー?!」


「出力が上がっても、うまく扱えんかったら、宝の持ち腐れ。『身を守るために堅牢なオーラを纏う』ってことができんかったら、なんぼ存在値が高くても、神級のワンパンで普通に死ぬ。オーラや魔力のブーストがなかったら、肉体だけの防御力なんてたかがしれとるからな。ここから、3000回死ぬまでの間に、せめて、肉体の守り方ぐらいはマスターせんと普通に詰むで」


「おまえ、マジか、これ! マジで……いや、あの、この状態だと、戦闘会場に飛び込み参加することもできんのだけど?! 一歩も動けんから!」


 地面に這いつくばった状態でそう言うセンに、田中はまっすぐな目で、


「ワシの瞬間移動で連れてったるから問題ない」


「問題しかねぇよ! 瞬間移動で、会場に強制連行されても、動けない状態じゃあ、あいつらが、俺を攻撃することはねぇだろ。俺はあいつらを『無抵抗のパンピーを惨殺するような子』に育ててねぇ!」


「心配すな。ワシが殺す」


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