28話 当たり前だろうが。俺は稀代の道化師だぞ。
28話 当たり前だろうが。俺は稀代の道化師だぞ。
(究極超神化のナンバリングには、それぞれ、テーマが設定されとる。ファーストは、開闢。『2』は破戒。『3』は諧調。『4』は異端。『5』は増幅。『6』は反逆。『7』は飛翔。『8』は無限)
(突然の裏設定開示、乙)
(それぞれのテーマは、単一やと、本来の効果を、なかなか発揮できん。二つ以上のテーマを組み合わせることで、それぞれの真価を魅せつけることができる。たとえるなら、『究極超神化の正規ナンバリング』は、『ファイナル〇ァンタジー7の支援マテリア』やな。『まほうみだれうち』とか『ぜんたいか』とか『ついかこうか』とか、そんな感じ。雷の魔法と『ぜんたいか』を組み合わせれば、敵全体に落雷をぶち込む強力な魔法になるけど、『ぜんたいか』だけを使っても、『何を?』ってなるやろ? 究極超神化のナンバリングを単体で使うということは、そういうことなんや)
(……『ぜんたいか』だけをスロットにぶち込むとか、アホもいいところだな……)
(FF7のマテリアとの『違い』は、ダブル神化の場合、『組み合わせただけでは、うまいこと制御できん』ってこと。ゲームみたいに、『スロットに組み込んだらOK』というわけやない。……『二つ以上の神化を組み合わせて使う難易度』を、あえて例えるなら、ジャグリングと玉乗りみたいなもん。仮に、その二つ、それぞれを多少出来るようになっても、いきなり、同時にうまいことやるんは無理やろ?)
(まあ、よっぽどの天才以外は、練習必至だろうな)
(そういうこと。ワシなら、いきなりでも、そこそこうまく出来るんやけど、お前はそうやない。お前は、すっごい無能やから。もう、ほんまビックリするぐらい無能やから、徹底的に、努力の下地を積まんと絶対に出来ん)
(……お前は、常に俺をイラつかせるなぁ。そういう意味でも、天才と言わざるをえない)
(ほな、おどれ、出来んのか? ジャグリングと玉乗りを、いきなり、同時にやれぇ言われて、華麗に、大道芸かませんのか? 観客から金とれんのか?)
(当たり前だろうが。俺は稀代の道化師だぞ。盛大に頭からずっこけて、オーディエンスを爆笑の渦に包んでみせよう)
(コメディアンとしてのプライドはいらんねん。『曲芸師の超絶技巧』以外はおよびやない。あと、どうでもええけど、頭から落ちたら、爆笑よりも悲鳴が巻き起こるやろ)
どうでもいい対話の応酬を経てから、
センは、
(……まあ、だいたいのことは理解できた。で、なんで、3の訓練をするんだ? 脳筋の俺的には、2のテーマである『破戒』の方を主軸にしたいところなんだが?)
(お前、別に脳筋ちゃうやろ。変身特化型ビルドやん)
(火力を特化させるために変身の精度をあげてんだよ。ポケ〇ンやる時だって、俺は、高速アタッカーにハチマキか玉を持たせて剣舞させる作戦しかたてない)
(ポケ廃からしたらカモやなぁ)
(で、なんで3?)
(ダブルやる場合、一番、バランスが良い。もともと、3は、単体で使う場合でも、かなりバランスがええ『完成された究極超神化』やけど、その完成された特質はダブルにおいてもいかんなく発揮する)




