27話 究極超神化における、ナンバリングのテーマ。
27話 究極超神化における、ナンバリングのテーマ。
『たかってくるハエを払う』ぐらいのテンションと消費カロリーで、余裕の全滅をくらったセン陣営。
相手の『底』を、少しでも知るため、最後に、特攻をかましたセンに、シュブは、軽く手刀を薙いだ。
シュブからすれば、蜘蛛の巣を引っぺがすぐらいの感覚で、センの体を綺麗に切断してみせた。
死に際で、センは、シュブを睨みつけ、
「や、やるじゃねぇか……な、なかなか悪くない強さだ……ま、まあ、そうじゃないと、面白くねぇよなぁ」
全力の強がりをかましつつ、
「俺は 俺たちは、必ずお前を超えるぞ。首洗ってまってろ」
……センと戦っている間、
シュブは、ずっと、一言も口を開かなかった。
今も、ただ黙って、センの向こう側に焦点を当てている。
「ここにいる全員、今の所、お前の視界に入ってすらいないってか? なかなか気合いの入ったカマシをぶちこんでくれるじゃねぇか。それでいい。おかげで飛べる。もっと高く」
最後に燃えるような気合いが入ったところで、センの意識は途切れ、完全に絶命した。
★
――というわけで、大体のことが理解できた。
現状の進行度と、敵の強さ。
ゴールがはっきりとして、感情が定まったことで、根源的なやる気みたいなものの解像度が跳ね上がる。
『189億回(1890億年以上)』ほど、ループを繰り返したところで、センは、すでに、ある程度、現状の負荷に慣れてしまっていた。
(人間は慣れる生き物とはよく言ったもの)
適応し順応する。
イタズラな領域外に牢獄による心殺しも、流石に、これだけ、延々付き合い続けると、もはや、自分を引き摺り下ろそうとする『弱い自分の声』に対して、『お前、まだ言ってんの? もういいって』と、ただ鬱陶しいだけの雑音という認識に落ち着いてくる。
高負荷の地獄との向き合い方にもすっかり慣れてしまったセンは、
(もう一歩先に進む方法を探す必要があるな)
などと、心の中で呟いたセンに、
田中が、
(ほな、真醒なしの、普通の究極超神化3でワシら全員の相手せぇ)
(アホか。なんで、そんな無意味な縛りプレイをせにゃならんのだ)
配下連中が2や3に目覚めたタイミングで、ハスターも同じナンバリングに変身できるようになっている。
3に変身するのは問題ない。
ただ、真醒の方が明らかにスペック上なので、わざわざ劣る形態になりたくないのが本音。
そんな素直なセンに、
田中は、
(意味ならある。というか、そろそろ、3の訓練を始めんと、わざわざ、ダブル負荷に慣れてもらった意味がない)
(?)
(サイコジョーカーと、『イタズラな領域外の牢獄』のダブルは、ただ、経験値を倍増させるだけのもんやない。『性質の異なるシステムの重ね掛け』に慣れてもらうことが最大の目的。いわば、『負荷テスト』やったというわけや)
(……ほう)
(究極超神化のナンバリングには、それぞれ、テーマが設定されとる。ファーストは、開闢。『2』は破戒。『3』は諧調。『4』は異端。『5』は増幅。『6』は反逆。『7』は飛翔。『8』は無限)
(突然の裏設定開示、乙)




