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22話 勇気って言葉も、大概、教育番組的イデオロギー感がハンパ無いが……


 22話 勇気って言葉も、大概、教育番組的イデオロギー感がハンパ無いが……


「ゲロ吐きそうだぜ……年齢的に『洗脳系の教育番組』なんざ見てられねぇんだよ。……『幼少期の暴力性を矯正する目的』なら、まだ分かるが、実年齢的には、オッサンを超えて、老人を超えて、後期高齢を超えて、仙人を超えて、神を超えて、神の王にまで至った、この俺に、幼児向けの『矯正メッセージ』をかましてくるとか、どんな羞恥プレイだ……」



 憤怒を、蜘蛛の糸にして、

 この地獄から這い上がろうとする閃光。


「誰かを頼ればいいとか、仲間とのつながりがどうとか……別に、それを否定する気はないが……そればっかりを大事にしていたら、『テメェ一人で頑張るしかねぇ場面』では、どうにもできねぇだろうが……世の中……そりゃ、『誰かに頼ってどうにかなる場面』も山ほどあるが、『テメェ一人でどうにか切り抜けないといけない問題』だって、同じか、それ以上に山ほどあるんだよ……その前提をシカトして、仲間ガー、友情ガー、絆ガー……アホかボケ……」


 どうにか、立ち上がるセン。

 苦しくて、辛くて、頭爆発しそうだが、

 しかし、それでも、センは、


「……一般民衆なら、それでも別にいいけどなぁ……『最悪のナナメ上』を想定するのが『王』の仕事だ……俺は、王を名乗ってしまった……じゃあ、『最悪を超越した想定』から目を背けることは許されねぇ……」


 ぶつぶつと、自分自身と向き合う。

 その途中で、ハスターや田中が顔を出したが、

 そんなもんを気にしている余裕はない。

 横でワーワー、何か言っているが、

 今のセンの耳には届かない。


「全部をなくして……『それでも叫び続けなければいけない勇気』以外はいらねぇ……勇気って言葉も、大概、教育番組的イデオロギー感がハンパ無いが……この概念だけは、どうしても譲れねぇから、仕方ねぇ……」


 地獄を前にしても折れない無敵の心。

 その概念を示す言葉が、勇気以外に存在しない。

 剛気とか、肝魂とか、荒胆とか、似た言葉は一応存在するが、

 勇気という言葉のダサさには敵わない。

 このダサさが、どうしても、心地いい。


「俺は、最後までみっともなくあがき続ける。……みじめで、ぶざまで、情けない、そんな、ダサすぎる情動を……最後の最後まで、叫び続けてやる」


 こうして、センエースは立ち上がる。

 ……こんな、命を燃やすような抵抗を、

 毎回やらないと、立ち上がることすらできない。


 ――これが、イタズラな領域外の牢獄。

 サイコジョーカーとは、また格が違う角度の地獄。



 ★



 そんなこんなで、『100億回(1000億年)』が経過した。

 ずっと、毎回、

 目覚めるたびに、『とびっきりの勇気』を叫び続け、配下たちに殺され続ける。

 そんなことを繰り返しているうちに、

 配下たちの中で、ようやく、『レボリューション』が起こり始める。


 究極超神化3への覚醒。

 それを最初に果たしたのは、カンツだった。


(平やゾメガを差し置いて、最初に、3に辿りつくとは……やるじゃねぇか……)


 『たどり着く順番』で『性能の差』が決まるわけではない。

 が、やはり、一つの指標にはなる。


 究極超神化のナンバリングで上位の階段に上がるためには、『潜在能力(センス・運命力・可能性)』と『積み重ねてきた努力(ステータス・存在値・戦闘力)』と『乗り越えた絶望(トリガー。抵抗力。根性)』が総合的に判断される節がある。


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