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16話 『心の中の弱い自分』と、ボコボコに殴り合うセンエース。


 16話 『心の中の弱い自分』と、ボコボコに殴り合うセンエース。


「ボーナスタイムだ。今回獲得した経験値を割り振っていけ」


「……なんの意味がある?」


 ヨグの言葉に対し、センは布団をかぶって小さくなったまま、


「意味ないよ。頑張っても意味ない。やるだけ無駄だ」


「……」


「どんだけ頑張ったって、どうせ、どこかで、みんな、死ぬよ。シュブとか、カミノとか、ヤバそうな連中、全員を殺しても、どうせ、また、よりヤバいのが出てきて地獄を見るだけ。意味ないよ。ほんと、無間地獄だ。延々に苦しみ続けないといけない地獄。もう、嫌だ。疲れた。本当に疲れた」


「……ふむ。で?」


「……『で』じゃねぇよ、くそったれが。『もう疲れた』っつってんだろうが。『で』もクソもあるか、ボケが。おかしいんだよ、お前。脳みそも情緒も」


 ――『イタズラな領域外の牢獄』を纏った世界。

 ここは、

 『脆さ』が暴走する世界。


 『強さ』を絶対に許さない領域。

 『弱さ』に押しつぶされるしかない異次元。


 そこで、センは、一度、大きく息を吸うと、



「もう、いやぁああああああ! もう、むりぃいいい! 全部、どうでもいいいいいいいいいいいい! 俺はもうやらない! 無意味、無意味、無意味、無意味、無意味ぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」


 ――『イタズラな領域外の牢獄』――

 ここは、

 センエースの心を折るためだけの領域。


 『そのため』に、

 『そのためだけ』に、

 幾千億いくせんおくものアリア・ギアスが積まれた限定空間。


 ゆえに、耐えられるはずがない。

 耐えられてはいけない。

 確定で、間違いなく、ここに閉じ込められた瞬間、

 一言も言葉を発する事なく、魂を持たない屍になる。

 それが運命。

 この領域における必然。


 ――だが、センエースは、


「ああああああああああああああああああ! あああああああああああああああああああああああああ! うううううううううううう! いいぎぃいいいいいいいいいいい!!」


 まだ、喚き散らかしている。

 センエースは、今、必死になって、

 自分に対し『後生だから、諦めてくれ、頼む』と言い聞かせている。


 つまりは、

 まだ折れていないのだ。


 ――センエースは、

    ずっと、闘い続けている――



「うぎぎぎぎぎぃ……ひぎぃいい……い、いやだぁああ……絶対に嫌だ……絶対に動かないぃ……絶対にやらないぃ……絶対にぃいいい……」


 自分の中の『弱さ』と、心の中で、ボコスカとワンパクに殴り合っているセン。

 正直、めちゃくちゃ劣勢だった。

 とにかく、『敵』が強すぎる。

 この『敵』の強さは、ハッキリいって、最上位アウターゴッド数体分に匹敵するほど。

 えげつないほどの戦力で、センの心を制圧しにくる。



「絶対に動かないぃいいいいい! 俺は、もうやらないぃいいい! てか、普通に考えて、頭おかしいだろぉおお! もうサイコジョーカー状態で、500億年以上、配下に殺され続けてんだぞぉお! これ、おかしいだろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


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