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14話 俺が、意味のあることなんか言い出したら、この世界もいよいよ終わりだぞ。


 14話 俺が、意味のあることなんか言い出したら、この世界もいよいよ終わりだぞ。


(あいつらの方が俺より絶対に天才なのに なかなか次のステージに進まねぇなぁ。どうなってんだ)


(あいつらは別に、追い詰められとらんからなぁ。ヒーヒーいうとるんは常にお前だけ。覚醒のトリガーになる『狂気の絶望』が足らんすぎる。お前が、あの中の2、3人は殺すぐらいの覚悟を示せば、もうちょいはやく覚醒すると思うけど、できそう?)


(……)


 センからの返事こそなかったが、『センエースの顔』を見て、『あ、こりゃ、あかんわ』と思った田中は、ため息を挟んでから、


(ほんまに、おどれは過保護やなぁ。トレーナーのお前が、そんなんやから、あいつらなかなか覚醒せんねんで。てかなぁ、お前、この世界に来る前、『ゼノリカの面々がセンエースに対して過保護過ぎる』とかなんとか抜かしとったけど、お前の方が1億倍ぐらい過保護やからな)


(…俺はあいつらに、現段階で、500億年もがんばらせてんだぞ。俺の『強くなりたい』ってわがままに、問答無用で500億年つき合わせて、まだ、ここからさらに、その10倍ぐらい付き合わせる気でいるんだ。どこが過保護だ。もはや芸術の域に達したパワハラ。世界ひろしといえど、流石に、俺以上の鬼畜上司は、どれだけ探しても見つからんだろう。理不尽具合で言えば、性根の腐った高校野球の監督が二度見するレベル)


(お前が頑張っとるんは、十席を守るためやろがい)


(それはリスナー向けの『てい』にすぎない。人気投票で1位を撮るためのプロパガンダ。リスナーも、俺を誤解しているから、『誰かを守るため』なんていう耳障りのいい、ご立派なお涙頂戴を掲げるだけで、ほいほい票を投じてくれる。実際のところは、ただ、俺が最強になるために、配下を利用しているだけだってのに)


(……)


 センエースの、多角的に『終わっている発言』に心底呆れつつ、


(強くなりだけなんやったら、あいつらの何人か殺せや。そしたら、残ったやつらは、ザクザクと、上位ナンバリングに覚醒してくれるで。あいつらが強くなった分だけお前も強くなる。お前の望みは、あいつらを殺すことで成就する)


(ゼノリカは俺のオプションであり、俺を輝かせる宝石だ。ようするには、財産であり、コレクションだな。俺はワガママで強欲、かつ完璧主義者。だから、『削る』という考え方は最初から放棄している。俺は、全部を手に入れる。『何人か殺して、残りを覚醒させる』という、しょっぱい手段は選ばない。コレクションは、完璧でこそ意味がある。ゼノリカは、俺にとって、食玩のコンプリートセットみたいなもの。一つでも欠けたら価値がなくなる。メ〇カリで売ろうとした際の価格が暴落する)


(あえて、なるべく不愉快な表現を選ぶという、その謎の偽悪性……そこに、いったい、何の意味があんの?)


(意味なんかねぇよ。あってたまるか。俺が、意味のあることなんか言い出したら、この世界もいよいよ終わりだぞ)


(ちょっと何言ってるか分かんない)


 そこで、センは、真摯な顔で、田中の目を睨み、


(なんかないか? 方法。もう一個、高く飛べる方法。別に、あいつらを殺さなくても、あいつらを、もっと輝かせる方法。……てか、50億回ボーナス的なのはないのか?)


(100億回目ボーナスはあるけど、50億回目はなんもないな)



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