9話 センエースだけが悪い。他のみんなは悪くない。
9話 センエースだけが悪い。他のみんなは悪くない。
(田中……お前、『バグの強化』がなかったら、微妙だな)
(ちゃう。ワシは破格の天才や。ただ、センエース……お前が、ほんまに、異常過ぎるだけ。簡単に言えば、みんな、プロアクショ〇リプレイを使った上でランクマに潜っとる中、お前だけ、普通に廃人育成かまして、1位をかっさらうみたいなもん。一つだけ、ハッキリ言っておきたいことは、こっちも、別に、プロアクを使いたくて使っとるわけやないってこと。『使わな相手にならん』ぐらい、お前がイカれとるってのが現状。つまり、お前が悪い)
(……えっと……俺が『アホなりに理解したこと』を述べさせてもらうけど……ようするに、俺の『真醒・裏閃流』は、不正しまくっているお前らをBANできる力ってことか?)
(BANまでは出来んな。あえて例えるなら、『ガブに、バグで憶えさせとった龍舞』を『不正』だから『封じる』……みたいなもんや。あと、『ガブのすばやさ種族値をバグらせて103にしとったのを、102に戻す』みたいな。……今のところ、お前にできるんは、そのぐらいの、『細かい修正』やけど……それでも、こっちの構築は完璧に崩壊する。緻密な計算による構築をぶっつぶされたら、ガチ勢相手には敗北必至)
(……お前、改造厨だったのか。ポケモ〇マスターの風上にもおけんヤツだな。恥を知れ。そして、死で償え)
(公式ルールで、プロアクの使用が暗黙の了解でOKになっとるのに、お前だけ、頑なにプロアクなしでやり続けるという縛りプレイをした上で、今、お前は、周りの連中を不正扱いして、構築を破壊しとるんやで。俯瞰でみたら、お前の方が害悪。そもそも、プロアクの使用が暗黙の了解になったんは、お前のせい。お前ひとりだけが飛びぬけてぶっ壊れのキチ〇イやから、こんな環境になった。つまり、お前が悪い)
(いや、その理屈は、さすがにおかしくねぇ?! お前らが根性なしなだけじゃねぇか! てか、俺、そんな状況で、ずっとやらされていたのかよ! お前ら、やべぇな! ハッキリ言って、その状況、イジメだからな! そんなんされたら、俺がかわいそうだと思わないのか!)
(かわいそうとはおもわんやろ。だって、みんな、プロアクつかっても、お前に負けとるからなぁ。ええ加減にせぇよ、と言いたいんは、むしろこっちやから)
心の中で対話している間も、
田中は、センにボコられている。
もう、センの方が圧倒的に強いので、
普通にセンの方が手加減しているというのが現状。
ちなみに、仮に、それぞれの戦闘力に点数をつけるとすると下記の通り。
カンツ 1
平熱マン 2
素田中 5
セン 9
田中(バグ積み) 10
※ いうまでもないが、上記は、分かりやすく例えただけの『ざっくりとした感覚点数配分』でしかなく、決して、センの戦闘力がカンツ9人分というわけではない。
――手加減された上で、ボコボコにされている田中は、
(ああ、これは、もう、あかんな……今のままでは、センエースのトレーニングとして成り立ってない。このしょぼい負荷では、ただの健康体操。……しゃーない……だいぶ早いけど、次のステップに進もうか)




