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8話 周囲を置き去りにしていくセンエース。



 8話 周囲を置き去りにしていくセンエース。


 これほど高いところまで、これだけの狂ったような速度で辿り着いたのは確かに素晴らしい。だが、所詮は借り物。『完全な地力』だけで戦わなければいけない、となれば…


「ぐっ、がはっ」


 ボッコボコにやられる田中。『真醒・裏閃流』は、的確に、『田中が回収してきた、バグ技の成果』を封じていく。


 『バグによる強化』を封じられて、完全な『素の力』だけで競うとなれば、『0の土台の上に、永い時間をかけて膨大に積み重ねてきたセン』に勝てる道理は一ミリたりともない。


 センは、その場からほとんど動かず、襲いかかってくる田中と、それをサポートしている38人の配下を圧倒していく。

 時間をかけて、丁寧に、絶望を飲み込みながら、『センエースを学んだ田中』を自分の中に刻み込んできたセンエース。


 センが手に入れたのは、『バグを殺す力』だけではない。

 純粋な戦闘力も底上げしてきた。

 『真醒・裏閃流』は奇跡でも祝福でも啓示でも偶然の産物でもない。

 ただ、必死に磨き上げた努力の結晶。


 『センエースを殺す経験値』はハンパじゃないが、それ以上に、『センエースを学習した田中と戦う経験値』が大きかった。


 この数十億年で、田中も配下も大きく膨らんだが、誰よりも大きくなったのは、やはり、センエース。


 センエースの異次元の戦闘力を目の当たりにした配下たちは、皆、ドン引きしていた。


 ボコボコにされている現状を客観視したヒッキが、


「ど、どういう強さしてんだ、あいつ……あの力は、アウターゴッドのソレじゃないのか?」


 と、クソほど引いていた。


 ――配下たちは数字だけではなく、戦闘力も底上げされている。

 それを可能とするアリア・ギアスを、センエースは積んだから。


 数十億年分の積み重ねがある。

 だから、ギリギリ、今のセンの力が理解できた。

 完全な理解はできないが、『どのぐらい大きいか』だけは、最低限、理解できるところにまで辿り着いていた。


 だから、『田中を超越するセン』を見て、引くしかなくなる。


 田中は強い。

 彼は間違いなく一等賞の天才だから、センと戦い続けた長い時間の中で『ここにいる誰よりも、普通に強くなる」という大偉業を成し遂げた。

 そんな素の田中を、

 センは赤子扱いしている。


 遥かなる高みから、田中をあしらっている。


(田中……お前、『バグの強化』がなかったら、微妙だな)


(ちゃう。ワシは破格の天才や。ただ、センエース……お前が、ほんまに、異常過ぎるだけ。自覚してくれ。お前は、ほんまに、狂ってんねん。お前の異常性に、『対抗』あるいは『補助』をしようと思うと、お前以外のまともな奴らは、バグ技を使いまくらな話にならんのや。周囲のやつらは、バグ技を使い続けとんのに、それでも、お前は、一生、根性だけで、最終的には勝ち抜いてきた。簡単に言えば、みんな、プロアクショ〇リプレイを使った上でランクマに潜っとる中、お前だけ、普通に廃人育成かまして、1位をかっさらうみたいなもん。一つだけ、ハッキリ言っておきたいことは、こっちも、別に、プロアクを使いたくて使っとるわけやないってこと。『使わな相手にならん』ぐらい、お前がイカれとるってのが現状。つまり、お前が悪い)


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