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6話 そういうとこだぞ。


 6話 そういうとこだぞ。


(セン、お前のさっきの閃拳は、妙なバランスで保っとった不条理な世界に、高潔すぎる理不尽を押し付ける、いわば『屁理屈を殺す一撃』やった。なあなあでごまかしてきた虚理のバグに、芯をエグる一撃を叩き込む革命)


(何一つわからんが、とにかく、俺がすごいって話だな。もっと褒めて。メンヘラを相手にするときよりも、さらに深く甘やかして)


(最初から誰も、一ミリたりとも褒めてへん。今のお前は、いつも以上に『キモくバグっとる』と言うとるだけや。タマ〇シシティでミ〇ウを釣れるんは、確かにすごいし、感情的には、おもろいけど、プロの仕事という視点では、普通にアカンことやろ。社員総出で頭下げないかん大問題やで)


(俺の、さっきの一撃は、それ級のバグなの?)


(それ以上のバグ。なんせ、説明不可能な謎の状態やからな。禁止魔カードとか、オメガバスティオンとか、あの辺も、全部、バグみたいなもんやけど、ワシなら一から十まで理屈を説明することが可能。難易度はともかく、明確な汎用性と再現性がある。ここでいう再現性は、『センエース以外でも可能』って意味な。けど、さっきの一撃は、おそらく、お前以外には出来んのとちゃうかな……いや、もちろん、理屈がわかってへん状態やから、確かなことは言えへんけど。……もしかしたら、汎用的な再現性があるものなのかもしれんけど……なんとなく……お前だけの固有のバグな気がする)


(……『気がする』なんてあやふやな推測を語るとは、それでも『タナカ・イス・トウシ』か。全銀河一の天才一族の絶対的一等賞ともあろう者が情けない。だからお前はダメなんだよ。そういうとこだぞ。恥を知れ)


 などとセンが歌っていると、そこで、

 田中は、一度、何かを納得したように頷いて、


(――解析完了。やはり、予想通り、さっきの一撃は、固有神化と似たようなところがある)


(……おいごら、そこのキモすぎる天才。……ついさっき『理屈わけわかめ』と嘆いていたってのに、その数秒後には、解析完了ってナメてんのか。俺の情緒を振り回すのも大概にしとけよ。そういうとこだぞぉ!)


(理屈は謎のままや。『どうやら固有神化と同じ領域内で処理されとるっぽい』ということが分かっただけ)


 そこで、田中は、センに話しかけるのをいったんやめて、

 一人で、ブツブツと、


(……固有神化のシステムが、そのまま流用されとる可能性が大。いや、逆に、こっちの方が先で、固有神化は、それを応用しただけという可能性の方が高いか。ま、どっちでもええけど、とにかく、固有神化システムとパッケージが同じなら、ワシの中にも、同じものが眠っとる可能性はなくもない。全く同じものではなくとも、ワシだけの固有の何かが……)


 より、深く、自分の中へと没頭していく。


(……センの武に宿ったバグ……原因や理屈は不明やけど、だいたい、どういうもんかは分かった……『攻撃対象の虚理的な処理にエラーを起こす』。……正当な手順を踏んでない『バグによる強化』は、ぶっ壊されて、『ゴミ』へと堕ちる。……これは『サイコイブシステムの理不尽』に近いものがある。根源は同じか? 人間失格のワガママを助長して幇助して増長させるバグ……あえて、いいように言えば、強制的にバグを殺すバグ……この性質は、『タス』のフラグメントによるものである可能性が高いか……うん、根源はそこにありそう……やけど、あくまでも土台にすぎん気もせんではない……)


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