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108話 這いつくばって、ケツをなめろ。


 108話 這いつくばって、ケツをなめろ。


「八つ当たりとは……とても神の王とは思えない、なんともなさけない諸行だな。貴様には、命の頂点に立つ者としての自覚が足りない」


「命の頂点に立ってんのは、問答無用で、あいつだろうがぁあああ! 俺なんか、ただのゴミぃいいいい! いてもいなくてもどっちでもいいカスぅうううう!! もはや、いない方がいいまである低脳ぉおおおおおお!!」


 怒りのあまり声が弾ける。

 心の奥底で育ったドス黒い感情が暴走。


「何が命の王だぁあああっっ! 完全に裸の王様あぁああああああああああああああ!」


 叫びながら、センは、マクラをふりまわし、窓ガラスに拳をたたきつけて、ガシャーンと割り散らし、タンスに頭突きをいれる。

 しっかりと、ダラダラ血が流れているが、そんなことはお構いなし。

 今、この瞬間に大事なことは、己の感情との向き合い方――それだけ。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 無意味な八つ当たりの途中で、

 ハスターが、背後から近づいてきて、


「……センエース、契約の時間だ」


 と、前置きもなく、そう言った。


 センは、


「どらぁあああああっっ!」


 と、特に意味なく、感情だけに身を任せて、

 ハスターの腹部に向かってドロップキックをかまそうとした、

 ……が、『ハスターを装備していない状態のセン』は、ただのレベル1なので、

 普通に足を掴まれて、


「……私の存在値が爆裂に上がっているのと、その怒り具合から察するに……田中からの教導を受けた直後というところか? となると……ループ回数は、5億回目ぐらいかな?」


「2回だぁ!」


「……2? ……2ぃ?!」


 驚きの声をあげながら、自分のオーラ量等を確かめていくハスター。


「……いや、さすがに、それはない……」


 と、冷静な言葉を口にする彼に、センは、


「俺は『正統なる銀河の支配者を超越した天才』だからなぁあああああ! たったの2回で、ここまできたんだよぉ! 田中なんか目じゃないぐらいの天才! それが、俺ぇええええ! わかったら、ひれ伏せぇええ! 這いつくばって、俺のケツをなめろ! はやくしろぉおお!」


「2回で、ここまで膨らむわけがないだろう」


「それが出来るぐらい天才なんだよぉ! 俺は天才だぁあ! 天才なんだぁああああ! 俺が天才じゃなかったら、他の誰が天才だってんだ! というわけで、俺の天才性を崇めろぉ! 喝采しろ! 賛美しろ! なろう系主人公が裸足で逃げ出すほどのヨイショで俺を、成層圏まで持ち上げろぉおお!」


 ピーピーわめいていると、

 そこで、田中が、ひょっこりと顔を出して、


「タイムリープ、どうやった? うまいこと、いけた? いい感じに殺された?」


 と、軽やかな言葉を投げかけてきた。

 そんなトウシの問いかけに対し、

 センは、


「2回だ! たった2回のタイムリープで、俺は、ここまで膨らんだ! 見ろ!」


 そう言いながら、センは、ハスターを装備して、


「真醒・究極超神化!」


 と、自分の中の最高格の変身をして、

 さらに、


「蓮武・超虹気!!」


 と、高みを魅せつけていく。


「どうだ! すごいだろ! 2回でここまできたんだぞ!」


「いや、まあ、うん……間違いなく前に進んどるみたいやけど……2回で、そこにたどり着くんは無理やろ」


「お前は凡だからなぁ! そういう浅い常識の中でパチャパチャすることしかできない! だが、俺は天才だから、お前の想像のナナメ100歩上をいく! それだけじゃない! 俺は、お前を鍛えてやった! お前の固有神化を覚醒させただけじゃ飽き足らず、『固有神化2』まで引き上げ、その上で、さらに、戦闘力をとことん磨いてやった! 苦労したぞ! 卓球で例えれば、ラケットの握り方から教えてやったみたいなもんだ! どうだ! すごいだろ! 這いつくばって、感謝しろ! とりあえず、いったん、俺のケツをなめろ!」


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