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壁画

そこには『壁画』が描かれていた。



さっき広場で見た石碑ではない。


大きさは4m程で変わらないのだが、

そこに確かに人が書いたであろう『絵』が描かれている。


人々が嵐の中で船に乗っている絵だ。

もしかしたら違うのかもしれないが。

これ船だよな・・・?

波っぽいものも描かれてるし。



誰が何を思って描いて、

この場に置いて行ったのだろうか?




普通、壁画は洞窟とかにある。


洞窟内の凹凸を利用して描かれ

案内図であったり。祭祀だったり。

それが何かを未来へ残すためだったり。


どちらにしろ人類が建物に住んでからの絵になる。

絵自体は石器時代のように古い書き方だ。



ただそれにしては・・・

この絵。あまりにも状態が良すぎないか?


現在ヘルクラネウム、サントリーニ島、ポンペイ、などでは

保存状態の良いものが見つかっていたと思う。


それは火山災害などで町が瞬時に埋まり当時のまま残ったからだ。


・・・この『壁画』は

そうじゃないだろう・・・?


屋外で一体どれだけの長い間、雨風に晒されたと思っているんだ?

ましてここは森。カビや植物で痛む可能性もあっただろう?


ラスコー洞窟は観覧者の吐く息の二酸化炭素で閉鎖された経緯があるほどと聞く。




勿論所々ヒビが入っていたりと風化している部分はある。

だが絵の部分はまったく風化していない。

まるでついさっき誰かが書き上げたかのような状態だ。

近くに寄ってみると土のような塗料のような匂いもする。



いやいや。おかしいだろう?

もしかして本当に誰かがさっき書いたのだろうか??


この場所に他にも人がいるのか???



・・・・・



少し怖くなって辺りを見渡すが誰もいない。



だが唖然とした。


どうやら壁画は一つだけではなかったようだ。


目の前の壁画に気を取られていたが・・・

ここから先の道には横に無数の壁画が設置されているようだ。



その壁画は暗闇に消える道へと消えていた。


何故かここからは奥へと続く道は鉱石が少なくなり、

かなり暗い。


森の光も弱々しくなっていくようだ。




少し考えたが奥へと続く道へと行くしかなさそうだ。

しばらく辺りを探したが出口らしきものはなく一本道。


このままここにいても助かる見込みは低い。


用心しながら再度照明を掲げ

壁画に沿って闇が濃くなる1本道へと踏み出した時だった。






「誰だ・・・・???」





・・・・・・




警戒を強める。

今、確かに何か物音が聞こえた気がしたのだ。




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