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謎の石碑と広場

墓石はひとつしかなかった。

その墓石を中心に円形状に、

まるで広場のようにそこだけ木々がない


広場の周りはぐるりと森のような木々が覆い尽くしている。


そして驚くことに辺りは帳が降りたように薄暗くなっている。

『夜』になったかのような暗さだ。


いくら何でも暗すぎるだろう?

確か掃除したときは14時くらいだったはずだぞ。

確かに林の中で彷徨ってた時は木々が日光を遮っていたて時間がわかりにくかったが・・・


それでも1時間経ってなかったと思うけど?




空を見上げると夜空に星が輝いていた。



・・・・・?


星!?????


もうそんなに時間が経ったのだろうか?

スマホの時計を見るが表示されない。

電池切れか?80%以上あったはずだが・・・





焦る気持ちを抑えて墓石に近づく。

とりあえずあの辺な道から出れたのだ。


大丈夫だ。


きっとこの墓石も霊園内からちょっと離れたとこにあるだけだ。


大丈夫だ。



ここにこんな場所があるなんて知らなかったけど。


きっと大丈夫だ。



最後は自分言い聞かせるように言う。



そして墓石をよく見て気がついた。


これは墓石じゃないな・・・?


『石碑』か???

何を奉っているのか知らないが・・・

達筆過ぎて読めない。


どうやら墓石だと思ったのは『石碑』だった。

相当古いものだろう。


石碑全体にコケと植物が生えている。

ツタをそっと避けると黒色の文字で何かがびっしりと書かれているのがわかる。

台座部分は風化し地面と同化してしまいわからないレベルだ。

大きさは背丈の2倍以上はある。

4m程だろうか?



一体いつから置かれていたのだろう?

裏側に回り混むようにして歩みを進める。



後ろには文字は書かれておらず。

何かの円形の渦巻き模様のようなものが大きく書かれている。

昔本で見たマオリ族の「コル」のような模様だな。

その不思議な模様が石碑に幾つもある。


ただ、残念なことに今ここがどこかの手がかりになるものはない。



・・・・



・・・・こんなことしている場合じゃないか


とりあえず車に戻る手がかりが欲しいものだが。

GPSを起動しようにもそもそもスマホが起動しない。


普段まるで自分の力のように使っていたがそうじゃない。

改めて自分が文明の利器の恩地に授かっていたのがわかる。


この便利な道具も様々先駆者が技術を紡いできたものなのだから。




うーーーん。どうしたもんかね。


数分辺りを探索したが

林と草と石碑しかない。


しょうがない。一端あの道に戻るしかないか。

トボトボトと石碑に踵を返し来た道へ戻ろうとする。



ん?



あれ?


道・・・・なくない???




ここじゃなかったかな?


あれ??

よく見ると円形の広場から出る道がどこにもなくない???



なんと道が消えていた。

辺りにサッと冷たい風が吹く。


まずい。ここに閉じ込められた。

もう完全に神隠しとかそういうレベルだ。



どうする?どうすりゃいいんだ?


無意識の内に石碑の前に戻り、座りこむ。

両手を組みその手を額につける。


良い案があるわけじゃない。

こうしているだけでは何も解決するわけがないのはわかっている。


ただ石碑の前に居た方が何となく見渡しもあり安全だと脳が判断したのだろう。

直感でここにいた方が良いと思った。


後で何故こんなことを思ったが不思議だったが、

きっとそれが正解だったのだろう。



座り混む途方に暮れている琴音の前に、

ふと白いものが見えた気がした。



なんだ?

顔を上げ確認する。


どうやらそれは『白い煙』のようだ。

どこから現われたのだろう?

細長い真っ白な煙が琴音の肩を触れるように通り過ぎどこかへと続いている。



腰を上げ。煙のゆく先を追う。

どうやら煙は広場を抜け森の方へと続いているようだ。


そして、その煙はいつの間にか森にできた

『道』に沿って奥深くまで続いている。


こんな道さっきなかっただろう!?


しかも普通に道ではない。

なんと道は光っていた。


細い道で人がやっと一人通れそうな幅だ。

その両端にまるでライトのように不思議な鉱石が光り輝いている。


森の奥は更に暗くなっており、その鉱石の出す光が唯一の道しるべだった。


道の先は霞んで見えない。

煙はその先へと消えている。



「行くしかないのか・・・」



先に進むしか行く場所がない。

もしかしたらこの道もすぐに消えてしまうかもしれない。


当然怖さはあった。

何が待ち構えて居るかわからない。

罠の可能性もある。




。。。。。。




だが、なんとなく懐かしさを感じるのだ。

それに不思議と煙は信じられると思っている自分がいる。



(よし。)


そう思うと意を決して光る道へと踏み出したのだった。





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