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序章~その日初めて人類はダンジョンを発見した~


・・・・時は経ち・・・


あの小さな子供も『ラトゥ』はすっかり大人になった。

そしてラトゥは謎の島を発見するため、同士を募り、海へと出た。



乗り組み員はベテランの猛者だ。

簡単にカヌーで広大な太平洋に点在する島々を正確に行き来できる。

皆、歴史上屈指の高い航海術の持ち主として広く知られ知名度もある。



だが、その航海術と人数を集めたにもかかわらずこの有様とは・・・

どこか心の中で油断があったのだろうか?


この海の旅にはそれこそ数年かけて計画を練った。

敢えて敗因を上げれば・・・

この嵐が人間の想像を超えるものだったということだけ・・・




その時荒れた海から波が入ってきて

体を攫われる。


しまった。!!


ザプーーン。

大きな水しぶきとともに『ラトゥ』が荒れ狂う海に落ちる。



左右がどっちかすらわからない。

異常な冷たさだ!!

体が動かない。

ダメダ。このままでは死んでしまう。





船長らしき人が海に落ちたのに気がつく


「おい!!!!『ラトゥ』が落ちたぞ。探せ!!!!まだ近くにいる!!!!!」


船長が叫ぶ

だが嵐で聞こえない


「なんだってーーーーー!!!?」



「『ラトゥ』ーーーーーーーーーーーどこだーー!!?」


クソ視界が悪くて見えねえ


「返事しろーーーーーーー!!!!!!!!!どこにいるーーーーー!!!!!」


「伝令!!!2時方向に!!!島が見えます!!!!!!!!!」


島だと?ここにある島なんぞ聞いたことがない。

やっぱり『ラトゥ』の祖先は正しかったのか!!


その時チラッと波の間に人影が見えた気がした。


気のせいか?気のせいでもいい。

可能性があるなら!!


「9時の方向に船を回せ!!!!急げ!!!!!!!!!まだ生きてる!!!!!!!!!」


「だめです。船長舵が効きません!!!!」


だめか・・・・

仕方がねえ・・・



「俺が海に潜る!!!!。おまえらは帰れ!!!!!!。そして伝えろ島はあったとな!!!!!。『ラトゥ』祖父は嘘つきなんかじゃねえとな。!!!!!!!」



「何言ってんだ?船長!!あんたも死んじまう。」


「この嵐だ。もう浮かんでこない。!!!!!」


乗り組み員は口々に叫ぶ。


「見えたのも気のせいに決まってる!!!!」


「だが、気のせいでないかもしれん!!!!まだ死んでないかもしれん。!!!どこぞの岸辺に流れ着いたかもしれん。!!!!俺は見捨てることはできん」


すでに船長は上着を脱いで飛び込む準備をしている。


「そんなの俺らだってそう思っていんだよ!!誰だってな。だけどあんたまで死んじまったらどうなんだ!!!あんただって知ってんだろ。こんな嵐では絶対助からん。まして神が作り出した島の近海!!!助かるみこみはねえ!!」




「必ず伝えろ。生きて島に帰って。あいつは嘘つきじゃねえとな!!」



そいうのが早いか船長は嵐の海に躊躇なく飛び込んだ。



「船長ーーーーーーーーーーー!!!!!」


すぐに船長は見えなくなる。


「クソ・・・どうすりゃいいんだ。とにかくこの場にとどまるように舵をとるんだ!!」



突如として一本の光の柱のように島と船までの道のりを明るく照らし上げる。


「なんだ?何が起きた?」


まるで嵐がなかったかのように視界が良くなった。



ただ、光の道の外は未だに嵐だ。

舵は勝手に島に向かって行く


そしてそのまま船は島に到達するのか・・・と思った瞬間


もの凄い雷で視界を奪われる。





気がつけば乗り組み員はいつもの見慣れた海を漂っていた。

『ラトゥ』と『船長』二人を除いて。





『人類が初めて「南極大陸」を発見した瞬間だった。』






=================

=================


~『ラトゥ』サイド~


「・・・・うッ」


ラトゥがゆっくりと目を開ける。

ここはどこだ・・・?


・・・俺は・・・


助かったのか・・・?



どうやら洞窟のようだ・・・

ということはここはあの「謎の大陸」か。

たぶん、どこかの隙間からこの洞窟に流れ着いたのだろう。

何にしても助かってよかった・・・



寒さで震えるながら。力の限り体を起こす。



そこで初めて気がついた


『何だ・・・これは!?』


そこには大きな扉が地面から突き出ていた。

見たことのない材質でできた扉だ。


人類史上初めて

『ダンジョンを発見した瞬間だった。』





=================-

~『船長』サイド~



ザザーーザザー

浜辺の引き波が船長の体を動かす。


「おい。あんた大丈夫かい?」


そこに日本の着物を着た女性がかけよる。



「・・・ウっ。ゲホゲホ。」


助かったのか・・・・

すまねえ。ラトゥおまえを見つけることができなかった・・・

他の乗り組み員はどうなった・・・?


もしかしたらこの女性が知っているかも・・


「ここに私以外に流れ着いたものはいないか?」


だが女性はまったく言葉がわからないようだ

いつのまにか女性の他にも人が集まってきている。


「この人なんていったんだべ・・・わかるかおまえ?」


「いや。聞いたことない言葉だったな・・・」



「あの人ならわかるんじゃないかい?・・・ほらあの変り者の・・・」


「ああ。あの人ならな・・・おっ。噂をすれば・・丁度来たぞ。」





「おや?これはまた奇妙な・・・その言語はマオリ語に近いね?」


周りと着物が違う男が現われた。

片方の目にモノクロのメガネをかけている。


「言葉がわかるのか?」


「完全にわかるわけじゃないがね」


「一体どこから来たんだい?」


船長が経緯を説明する。

残念ながらここに辿りついたものはいないという










「これはまた珍妙な・・・・本当にそんな場所から流されたのかい?」


「そうだ!!間違いない!!」


モノクロのメガネの男は手で髭を触るように考えていたが

やがて結論づけるように話す。


「そうか・・これは研究対象だな。いいかい。ここはその謎の島でもない、勿論君が暮らしていた場所でもない。ここは日本だ。日本の『遠江国』の海岸だよ」







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