『THIS ARM IS GOOD』
『THIS ARM IS GOOD』
・・・黄金的な細い左腕の使用
㈠
雨が降ってきて、傘を差した。左手で持って、雨で身体が濡れないようには歩いたが、ハガキを出すつもりだったので、リュックサックを背負って、その中にハガキを入れていたので、傘からリュックサックが出ていたようだった。
そのリュックサックは、割と安価なもので、デザインが気に入って買ったのだが、まさかの防水加工無しだったようで、リュクサックは雨で濡れに濡れていた。肝心のハガキは、ポスト投函まで、濡れずに済んだので、事はうまく運んだが、防水加工無しには驚いた。
㈡
今どきのリュックサックなら、防水加工くらいしている。凡そ、自分の思っている常識とは、非常識な点もあるものだと思わされたが、やはり、デザインが気に入っているので、防水加工無しでも今でも使用している。要は、自分は、機能よりも、デザインなのだ。
ところで、左手で傘をさしていたが、自分はいつからか左手もよく使うようになった。元々、右利きであるから、少しずつ左手を使うようになったことが、妙な事でもあり、しかし、身体を最大限に使えていると思い、日常に左手は根差した。
㈢
左利きは天才だ、という文言を、昔聞いたことがある。別段、右利きにも天才はいるのだが、妙な話だ。しかし、自分は左手を使用しだしてから、物事が比較的うまく進むようなことが、増えたのである。妙な話だ、では済まされない、奇跡の黄金的な左腕である。
まだ、箸も使えないし、文字も書けない左手であるが、少しでも左手を、それを含む左腕を、使用することで、日常が奇跡的に豊かになればいいな、と考えている。人は自分の、この日常的左腕使用を笑うだろうか、しかし、笑われても、自分はそれを止めるつもりはない。要は、この左手、左腕に、感謝しているのである。