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吉原のさくら  作者:
9/13

9話 待ち構えるもの②

お美和に連れられ、さくらが部屋を出ようとした時…


『鎗手さんちょっといいかい?』

イカつめのがたいがいい男性が部屋に入ってきた。


『銀さんどうしたんだい?』

『奴女郎を連れてきたんだが…』

『あぁ、昨日言っていたやつだね。中に入れとくれ。』


ツネに促され、銀が連れて入ってきたのは数人の女性。

パッと見はほとんどが20代くらいだろうか?

だが、見た目はボロボロの着物に、薄汚れた身なり。

つい、ジーッと見つめていると。

その中の1人に、周りに比べると少し幼い15歳くらいだろうか?

その子とふいに目が合い、キッと睨みつけられドキリとした。


『さくらちゃん何してるの?行くわよ!』

『は、はい!』


慌てて、さくらはお美和を追いかけていった。

廊下を歩きながら、お美和にさくらは疑問をぶつけていた。


『ねぇ。お美和さん一つ聞いてもいいですか?』

『何?さくらちゃん?』

『先程の男性が連れてきていた女性達は誰なんですか?

確か奴女郎と呼ばれていたと思うんですが…。』

『あぁ、あの人達はね。

岡場所で取り締まられてセリにかけられここに来た人達よ。』

『岡場所?』

『さくらちゃんは何も知らないんだものね。』

それからお美和はわかりやすく、さくらに説明してくれた。


遊女にも、色々種類があること。

吉原で働く者達は、いわゆる幕府公認のお墨付きをもらっている人達。

岡場所で働く者達は、幕府非公認。

つまり、非合法の遊女で色を売っている者達。

取り締まり対象なので、摘発されセリにかけられ、吉原に売り渡される。


彼女達は奴女郎と呼ばれ、吉原の遊女の中でも軽蔑されている存在であること。


『だから、さくらちゃんもあの人達に関わってはダメよ。』

『…は、はい…』

さくらは少しだけ、腑に落ちない部分を感じつつ、返事をした。



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