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吉原のさくら  作者:
7/13

7話 仲直り②

『さて、もうそろそろお夕飯の時間でしょ?取りに行き…』とお美和が言いかけると。

『私が持ってくるから、ここで皆は待ってて』と言うが早いか、ヨネが部屋を飛び出していった。


数十分後、ヨネがお盆に夕飯を持って戻ってきた。


お盆の上には4人分の雑炊と、小さな小皿が3つ。

小皿の上には、さくらが田舎では見ることがなかったような豪華なおかずがのっていた。


それに驚いたのは桜だけではなかったようで、お美和とお滝も目を丸くしている。

『ヨネそのおかずどうしたのよ⁈』

『あぁ、これか?昨日の宴会で余ったものを捨てるって言ったかららもらってきたんだ!』

『そうなのすごいわね。』

『そういうところは、ヨネは目ざといだけですよ。』


『話は後にして、食べようよ!』とヨネが言ったので、小さなちゃぶ台を出し、その上に並べていく。


『『いただきます。』』


田舎では麦飯に漬物だけの、食事だった。

こんな豪華な食事の美味しさに驚いてしまうさくら。


『普段からこんな食事されてるんですね。』

さくらが呟くように言うと、3人が口々に否定する。


『まさか、普段は私達は麦飯に漬物だけよ。』

『えっ?そうなんですか?』

『たまに、宴会の余りなんかをいただけることもあるけれど。』

『自由に食事を選んで食べられるのは、売れっ子の遊女さん達だけよ。』

『そうそう。売れっ子さんは、外の屋台から食べたいものを買ってきてもらえるんだよ。いつかお腹いっぱい食べたいなぁ〜。』とヨネが呟く。


『相変わらずヨネは食い意地が張ってるわね。』とお滝が言うと。

『なんだと〜!』とヨネが言い、また喧嘩の雰囲気になりかけるが。


『さくらちゃん2人ともご飯いらないみたいだから、2人で美味しくいただきましょう。』とさくらに言って食べ始めるお美和。


『お美和さんひどいよ…』とヨネが不満を口にすると、お美和は『ウソよ。食べましょう』と言ってまた食べ始めた。


不安ばかりが募る新しい生活ではあったが、なんとかなりそうな気がした、さくらだったのでした。


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