第8話 フィギュアは、大事②
続きですので、短いです
寝落ちが続きます…………
「インドール酢酸、つまりIAAたんはオーキシンちゃんと従姉妹のようなものなのだ。実際には、人間の手によって作られたか自然のものかという違いはあるが。そこで、安宅氏。汝に問題だ。どちらが人工的に作られたか分かるか?」
「わざわざフィギュアを持ってくるくらいだから、オーキシンの方が人工的な方ではないんですか?」
「ぐっ、その通りだ……」
ねぇねぇ、深優ちゃんが先生を圧倒してない?
そうだよね?やっぱり深優ちゃんは凄い。
先生なんかより凄いんだねー。
クラスメイトたち、俺が深優の身代わりだって知っているのに『深優が凄い』って言ってる。これはあれか。『深優が凄い』って言うことによって、この……名前が出て来ない。この変態な先生の発言力を奪うって意図があるんだな。こいつら、えげつねェ。
「しょっ、小生は、フィギュアを使って、それをわかりやすくするために工夫をしたのだ。通常の授業でも少しずつ工夫していくから、きちんと勉強するように。では、解散だ」
先生はそれだけ言うと、足早に教室を出ていった。
「なあ、さすがにこのやり方は辞めて差し上げた方がいいぞ。さっきの一瞬で先生の教師としての威厳みたいなもんを根こそぎ奪ってたぞ」
次の時間から、クラスメイトたちの協力の手が弱まることを祈るばかりである。
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