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二人ぼっち

作者: たまもや

このページを開いていただきありがとうございます。

「たまもや」と申します。



今回は三題噺企画、第九弾となります。



お題は、

「オッドアイ、猫、歩く」です。



お楽しみいただけると幸いです。

「やっぱりあなたとは合わなかったみたい。別れよう」

帰宅ラッシュの満員電車に揺られて30分。最寄りの駅で無事に降りたときに届いたメッセージだ。突然のことでいまいち理解できないまま、いつもと同じ道をただただ歩いていた。


10分ほどたったころ、一匹の白猫が僕の前を横切った。

「お前、目ん玉変わった色してんな」

その猫の目は片方が金、片方が青という、いわゆる「オッドアイ」だった。別に猫が特別好きだというわけではないが、オッドアイの猫は縁起がいいと聞いたことがあったので、媚でも売っておこうと近くのコンビニでツナ缶を買い、それをプレゼントした。

「ニャー」

こちらを向いて言ったので、きっと感謝でもしてくれたのだろう。その後すぐさま缶詰を食べ始めた。

「これでいいことでもあったらいいんだけどな、不幸もあったことだし」

そんな簡単にいくわけはないとわかっていても、少し期待してしまうのが人間の性。一心不乱に食べ続ける彼を僕はその場に座り込みひたすらに見つめていた。


しばらくたって彼は綺麗に缶詰の中身を平らげた。空の缶をひたすらに舐めているあたりよほどお腹がすいていたのだろう。彼のお腹を満腹にできたのならそれはそれで幸せか、と心の中で納得しつつ、その場を去るため立ち上がる。

「ニャー」

お礼でも言うかのように再び彼は鳴いた。

「達者でな」

そう言って頭を撫で、再び帰路に戻る。


不思議なことに、彼は僕についてきた。「僕が側にいてあげるぞ、幸せだろ」といわんばかりに堂々と僕の背後をつけてくる彼。ちなみにうちのアパートはペット禁止だ。家の下まで辿り着いたところで彼に言う。

「うち、ペット禁止だからついてきても飼えないぞ」

言ってもわかるはずもなく、僕にすり寄ってくる。さすがにかわいいと思ってしまった。

「今日くらいは、許していただきたいね」

今は、人間といるよりも彼といる方が楽でいいかと思い、彼を抱きかかえ扉を開け、中に入る。

僕の目は、両目とも同じ色であるが、いつもと違う色になり、そっと粒をこぼした。


今回は、短い最近のものより、さらに短くなってしまいました。

人間が状況を理解していく様を描けていればいいなと思っております。



もし意見や感想、お題の提案等がありましたら、コメントによろしくお願いします。


ここまで読んでいただいてありがとうございました。




これまでの作品もぜひよろしくお願いします。



近々、Twitter等のSNSを始めるつもりです。更新情報等掲載していく予定なので、公開しましたら是非よろしくお願いします。




三題噺のお題に関しましては、以下のホームページを参考にさせていただきました。


http://youbuntan.net/3dai/

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