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友美と弘樹 - 2 -



その晩、ともみんは返事を出せていなかったのに、ロッキーからのメールがもう一通届いていた。


「友美ちゃん、バイトそろそろ終わる頃かな?お疲れさま。今日、上司に褒められたんだ。別に何か変えたつもりもなかったんだけど、ここ数日の仕事ぶりはすごくいいって言われて。元々僕、ミス多くていつも上司に怒られてばっかりだったからね。でも、友美ちゃんのおかげだと思って、お礼が言いたくて。ありがとう!メール待ってるよ」


車のヘッドライトが行き交う街道沿いを歩きながら、智は自分の胸が温まるのを感じた。


智は自分もロッキーと同じ男として、誰かひとりの女性に支えられて生きてきた自分を振り返った。るかはいつも自分を勇気づけてくれた。ムカついた日も、悲しい日も、ダルい日も、嬉しい日も。るかは心を共有して、最後には必ず笑ってくれた。


「弘樹くん、お昼は返事できなくてごめんね。てか、褒められたのおめでとうー!すごいね♡でもわたし何もしてないよ。弘樹くんががんばったんじゃん!えらいえらい!」


ロッキーにとってのひとりの女性とは、まぎれもなくともみんだった。


智は、そのことに気づいた。ロッキーの女性慣れの訓練のつもりで続けた楽しく甘いメールは、次第にその目的が変わり始めていた。


「友美ちゃんからのメール待ってたよ!お疲れさま!ナデナデ♡今日も帰ったら写メ送って欲しいなぁ。友美ちゃんの写メ、メールしてない時もいつも見て元気もらってるんだよ」


初めからわかっていたのは、ロッキーは恋人を求めているということで、その矛先がともみんに向くか向かないかはわからなかったが、明らかに今、ロッキーの心はともみんでいっぱいだった。


「ナデナデ嬉しい♡ありがとう!今帰ったから、今日の部屋着姿送るね!明日は土曜だけど、弘樹くんはお休み?お仕事?わたしはお休みだよ」


智は酒を買って帰った。頭をすっきりさせたかった。自分の心の中の声が男なのか女なのかよくわからない状態にあった。しかし、今話している相手は男で、自分も男だということだけはわかっていた。そして、コンビニに置いてある成人用雑誌を見たり、ロッキーにエロい画像を送っても、なにも男らしい反応をしない自分に驚いた。


「明日はお休みだよ。ちょっと買い物行こうかと思って。お袋に新しいマフラー買ってあげようとか思ってるんだけど、本当は友美ちゃんにも何かプレゼントしたいんだ。いつも僕は友美ちゃんに写メもらってばかりだし。友美ちゃんは明日何するの?」


ロッキーは、イケメンになっていた。実際会ったら口ごもりはするかもしれないが、心がイケメンで、行動に自信というものが感じられるようになっていた。


「お母さんにマフラーとかイイね!お母さんきっとすごく喜ぶよ♡でもわたしはいいの!弘樹さんはわたしの話マメに聞いてくれてるから、それだけで十分なの。いつもありがとう!わたしはね、女友達とちょっと多分遊びにいくよ」

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