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浮世に住まうフタナリ



智は毛布を被ったままパソコンの前で寝落ちして、朝を迎えた。


金曜日の朝。


その日、智は朝から晩までバイトの日だった。


「弘樹くん、昨日はメールの途中で寝落ちしちゃってごめんね。わたし今日、朝から夕方まで学校で、その後バイトちょっと行くの。講義寝ちゃいそう…(笑)弘樹くんは今日もお仕事かな?がんばってねー!朝の写メは、今日の下着ちゃん♡これお気に入りなんだ」


ともみんは相変わらずハイテンションだったが、智は重たいまぶたを擦りながら、ヒゲをゴリゴリ剃り落とした。


「講義なら寝れるけどさ、バイトは寝れねぇっつーのに。馬鹿だな俺」


ロッキーに情が湧いていた。しかも、自分が女性か男性かわからないままに、その気持ちが智を支配していた。


バイト先までのいつもの道に、金髪のゴツめの女が立っていた。高架下の短いトンネルの入り口に立っている彼女は、しきりに鏡で自分を確認しつつ、もう一方の手で携帯電話をいじっていた。


轟音と共にパンパンに人を詰め込んだ通勤電車が通り過ぎた。彼女の髪はカツラだった。化粧はそこそこ下手ではないが、肩幅がかなりあった。胸は膨らんでいた。


智は、ゲイは好きでもなく嫌いでもなかった。ニューハーフタレントでもギリ付き合えそうな見た目の人もいる、と思ったことはあったが、男性の股間を舐めることは全く想像できなかった。


智が高架下の道から曲がろうとした時、ホスト風のイケメンが金髪の女に駆け寄ったのが見えた。


「お待たせー!ゴメン、待ったかな?」


信頼という名の愛ではなく、利害関係の一致という恋が存在するのを智は知っていた。なぜなら過去の恋や浮気も、その後者によく似ていたからだ。


しかし、今目の前にいるロッキーという青年は、そのどちらにも分類できないということを彼は気づいていた。


彼の中でのロッキーは、口では説明できない時空の歪みのような場所に立っていた。

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