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[サガシモノ]  作者: 尖角
第一章
8/42

死者

自分のせいで人が死んだ経験があなたにはありますか?

主人公はあります。それを少しばかり悔やむような内容です。

 だが、手帳の解読は思ったより早く終わってしまった。


 なぜなら、最後の日にちに辿(たど)り着いてしまったからである。


 その内容は以下の通りである。



 「 7月15日 金曜日

   今日は雨。

   日にちがなかった。

   もうここの生活には未練というものが存在しない。

   だから、俺はこの間いるものはリュックにすべて詰めたので、

   それを持って外に出た。 目指すは駅。

   あそこは人目に付きやすい。

   だから奴らも下手なことはしてこないだろう。



   7月18日 月曜日

   今日は曇り。

   監督に名前を呼ばれた。

   正直、ばれたのではないかと思った。

   しかし俺がしたことはばれてなどいなかった。

   ただ、機械の整備で呼ばれただけだったから…。



   7月21日 木曜日

   今日は雨。

   俺は最終の段取りを、CとLとXに聞いた。

   「よし完璧だ」

   この声と共に俺はスーツケースを持ち出した。

   本当は、この時にリュックを持っていきたかったんだが、

   大きさの問題でこちらを選んだ。



   7月24日 日曜日

   今日は生憎(あいにく)の雨。

   しかし、もう待てない。

   次に来るチャンスが何時(いつ)かなんて想像もしたくない。

   だから、俺はみんなと走った。

   奴らの追いかけてくる足音。

   さすがにきつかった。

   だが俺は逃げ延びた。

   みんなは、、、

   CとLとXは死んでしまった。

   半分冗談で始まった、俺達の逃亡劇。

   逃げ延びたのは俺だけ…。

   俺はみんなのためにも生きることを誓い、

   例の薬を飲んだ。 記憶を消せるという薬を…。         」



 ここで終わりだった。


 わかったことは、俺が(みずか)ら記憶を失ったこと…。


 多くの死者を呼び、その中で生きた俺は薬を飲んだ。


 俺が手帳を読んでわかったのはここまでだった。




記憶を失い、取り戻しつつあるが、

はたしてそれが本当にいいことなのだろうか?

記憶を取り戻すことがいいことだったのならいいのだが…。

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