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[サガシモノ]  作者: 尖角
第一章
6/42

迷惑

迷惑をかけているのは、あなたと私とがかかわっている証…。

そんなことを言っておきましょう。

ではどうぞ!!

 寝る時である。


 少し困ったことがあった。


 今まで、俺はベッドで寝ていた。


 しかし、そのベッドは実莉のもの。


 俺を寝かせるにあたって、実莉は自分の寝るところを貸し、自分ははソファーで寝ていた。


 しかし、そんな事情を知った今、実莉をソファーで寝かせるわけにはいかない。


 だが、「俺がソファーで寝るから、お前はベッドで寝ろ」っと言っても、「あなたは客人だからベッドで寝て」と(ゆず)らない実莉。


 俺は「そうだな」「客人だし借りとくよ」と返事は決してしなかった。


 なぜなら、俺のプライドがプライド許さないのだ。


 そのことを散々説明すると、実莉は「仕方ないなぁ」「わかったよ」っと言って、ベッドで寝ることを了承してくれた。






 朝のことである。


 起きたのは9時前後…。


 それからご飯を食べ、昨日実莉がおろしてくれた新品の歯ブラシで歯を磨いた。


 その後である。


 俺が歯を磨き終わると、実莉が俺を呼んだ。


 そして「あのさ……。名前、、、まだ思い出せないんだよね?」っと言う。


 俺は静かに「あぁ…」っと答えた。


 正直、記憶については聞かれたくない。


 それは、何もわからずに世話になっていると思うと胸が痛むからだった。


 そんな俺に実莉は言った。


 「気を落とさせたならごめんね?」


 「私はただ、名前がわからないからなんて呼べばいいのかなって思って…」


 「だから、その…」


 実莉はここで言葉に詰まる。


 『何か言いにくいことなのだろうか?』


 俺はそんな実莉を気遣って「どうした?」っと優しく聞いた。


 すると「いやっ、名前を考えたいなって…」


 「今までみたいに“あなた”だけだと何かと不便だと思うから…」っと言う。


 「!?」 『それだけ?』っと俺は思った。


 そして「それもそうだな…っていうかもっと早く言ってくれればよかったのに……」「前から思ってたんだろ?」っと俺は聞いた。


 実莉は本当に優しい子だ。


 それは実莉のことを見ていればわかる。


 記憶をなくした俺を気遣って、そして気遣っている。


 そんな実莉に、俺は“ありがとう”としか言いようがなかった。


 そして、俺はその言葉と共にある提案をした。


 「あのさ、布団と一緒に服とかを買いに行きたいんだけど…ダメかな?」


 実莉は「いいよ」っと即答してくれた。


 それと共に「ありがとうなんて言わないで?私はただ当たり前のことをしてるだけだから…」っと言う。


 “なんて優しいんだ…”


 それからしばらく、俺はそんなことしか考えることができなかった。

なかなか終わらないみたいです。

終わりが見えない…。

作者はこれと闘っているから!!

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