仲間の引退
半月ぶりの更新ですね。
話自体は前作で終わっておりますが、これは“それから”をテーマにしたものです。
では、どうぞ!!!
「お疲れ!!」
俺は元気よくそう告げる。
相手はHESEを壊滅させるときに、色々と世話になったイッサ。
ここは、あるパーティー会場を貸切にした場所。
そう、、、
今回の話は、イッサの引退祝いである。
あれは、約10年前。
HESE壊滅を手伝い、事件を起こしたと、裏の世界で有名になり、イッサの下には色々と多くの仕事が入って来ていた。
そんな時にあった、俺達の結婚式。
ちなみに、ここで言う俺達というのは、もちろん俺自身と実莉である。
さて、そんなことは置いておいて、、、
とにかく忙しくて、イッサは結婚式には来てくれなかった。
だから、それをイッサは謝るために、俺達のところに話しかけに来た。
わざわざ、あの時にしか接点がないというのに、俺達を呼んでくれたイッサ。
俺は、「呼んでくれてありがとう、、、そして、謝らなくていいさ」「ただ、俺達の子供の顔ぐらい拝んでやってくれ!」と言う。
「お前ら!!そんなところまで行っていたのか!!!」
そう、大きな声で突っ込むイッサ。
「おいおい、あれからもう10年だぞ?」
「結婚してたら、子供ぐらいできるだろ?」
俺がそうやって突っ込みに答えてから、実莉が子供を紹介した。
「こっちが6歳になった莢花で、こっちが3歳の快斗です」
「ほら!ちゃんと挨拶しなさい!!!!!」
子供たちは実莉に背中を押され、渋々と挨拶をする。
「さやかです! かいとです! こんにちは」
「おう!!!」「元気そうで何よりだ!!!!!」
そう、イッサが大きな声を出すので、子供たちは実莉の後ろに隠れようとする。
俺達は、この何気ない日常を笑った。
俺達は、この“普通”という世界が大好きだ。
何もなければ、老いて死に、
そして、さらには芽吹いて生きゆく。
俺は、これが本来の人間の生き方だと思う。
今も、昔の失った記憶は取り戻せていない。
けれど、それでも元気にやっている。
だから、そんな何気なさを大切にして、今を家族と共に生きていこうと思う。
これで、[サガシモノ]は本当に完結です。
いろいろと更新が遅かったり、文字数が少なかったりして、不出来なところが満載でしたが、ここまで読んでくださって本当に感謝しております。
ありがとうございました。