感謝を込めて
「実莉・・・ありがとな・・・」
「でも、俺は――――――――――」
ここで、俺は言葉に閊えた。
急に、実莉が俺に抱きつき、ある言葉を言ったから…。
「私のことを想っているのなら、何も言わないで・・・」
「私はカズキに記憶を取り戻して欲しいけれど、、、」
「でも!!でも、それが絶対じゃないし、カズキがいてくれれば・・・」
「私はカズキと一緒にいたいだけだから・・・」
「でも、こんな私じゃダメかな?」
「そう思うのなら、、、」
「私のことが嫌いなら、突き放してくれていいから・・・」
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『俺はなんて幸せなんだ・・・』
心で、その言葉が反響する。
「ありがとう」
「やっぱり、俺は実莉が大好きだ!」
「今は、実莉は大学生だからダメだけど、卒業したら、結婚しよう!!!」
「カズキという実莉が付けてくれた名前しかないし、何の取り柄もない俺で、できるかはわからないけど、頑張ればどうにかなると思うから、、、」
「だから、これからを2人で頑張ろう!!!!!」
俺はそう言った…。
言葉では言い切れないほどの「ありがとう」を込めて、ギュッと強く抱きしめながら。
あっさりしていますが、これで第四部完結です。
ありがとうございました。