ありのまま
だけど俺は―――――
だけど俺は、この時が終わってしまうのが怖かった。
それは、実莉との別れがきてしまうから。
それは2人ともがわかっていることだ。
しかし、そのどちらが口を開けずにいる。
俺は、実莉と一緒にいたい。
実莉は優しいし、こんな俺の助けになってくれた。
だから、一緒にいたい。
けれど、そんな俺の傍にいても、実莉は嫌な思いをするだけ。
過去も持っていないし、お金もない。
生きる為に必要なものは、何も持っていないと思った。
すごく惨めだと思った。
だから、俺は実莉に向かって口を開いた。
「今までありがとう」
「これからは、ぶらぶらしながら、適当に生きていくよ」
「本当に、今までありがとう」
その言葉を聞いて、実莉は言った。
「うん・・・」
「でもさ、、、私考えたんだ・・・」
「カズキは1人でしょ?」
「私もこの家では1人だから、話し相手が欲しいの」
『ん?どういうことだ?』 俺は咄嗟にそう思い、そう告げる。
すると、実莉は大きな声で、顔を真っ赤にしながら言った。
「私はカズキが好きなの!!!!!」
「カズキは、私のことをどう思っているかわからないし、こんな可愛くもない女の子に言われても嬉しくないかもしれないけど、カズキとは一生で体験するはずもなかった体験ができたし、きっとこれからはそれに勝ることは起きないと思う」
「だから、その可能性を大きくするためにも、カズキと一緒にいたい!!」
俺はその言葉が嬉しかった。
それは、俺も実莉が好きだと思っていたから。
けれど、俺はこんな男だ。
今の実莉はそう思っているかもしれないが、いつかは変わってしまうかもしれない。
だから、俺はありのままを告げることに決めた。
まさか?の実莉の告白です(笑)