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[サガシモノ]  作者: 尖角
第一章
4/42

手帳

手帳の内容に初めて触れます。

 まずは手帳。


 これにはさすがにうんざりした…。


 『何がって?』 文字が薄いからだよ!


 俺はこんな突込みを一人でしながら中を解読していた。


 どちらかというと、中は手帳に書くようなスケジュールなどではなく、日記に近いものであり、内容は以下のようなものだった。



 「 6月3日 金曜日

   今日は曇り。

   とても暇だ。

   この作業は時間が空きすぎる。

   かといって自由時間は何もすることはない。

   何かしたいな…。



   6月6日 月曜日

   今日は晴れ。

   っと言っても特にすることが何もない。

   だから、外を少しうろうろしてみた。

   与えられた時間は20分。

   こんな短い時間で何ができるだろうか?

   俺は近くの“コンビニ”というところに行ってみた。

   中にはいわゆる高校生というやつがたむろしていた。

   正直、『邪魔』としか思わなかった。



   6月9日 木曜日

   今日は曇りのち雨。

   空気がどんよりしていて疲れた。

   毎日同じことの繰り返し…。

   何かこの空間でもできることはないのか?

   最近思うことが増えてきた気がする。



   6月12日 日曜日

   今日は雨。

   せっかく外に出れるのに…。

   だから、俺は仕方なくみんなのところに行き、トランプをすることにした。

   けれど俺は賭けに負けて、2万円無くした。

   せっかくコツコツと貯めてきたのに…。



   6月15日 水曜日

   今日は晴れ。

   これまでの仕事がやっと終わった。

   今日からはトレーニングだ。

   トレーニングは結構好きなのでよかった。

   そして、退屈が一番嫌いな俺にとっては、さらによかった。



   6月18日 土曜日

   今日は雨。土砂降りだった。

   雨は嫌いだ。

   外では罪を洗い流すとか言われているようだが、そんなことはないだろう。

   もしそうなら、あいつらは罪を背負わずに生きていることになる。

   そんなことはありえない。

   絶対にあってはならないのだ。



   6月21日 火曜日

   今日も土砂降り。

   こんな土砂降りの中、彼は死んだ。

   正直、彼とは、Sとは関わり合いがそうはなかった。

   グループが違うし、トランプとかも一緒にしなかったから…。

   しかし知らない中ではない。

   もし知らない中なら死んだってどうでもいい。

   けれど知っている人間が死ぬのはさすがに辛い。         」



 俺はここまで解読して、2時35分に遅めの昼食をとった。


 実莉は俺が解読している間ずっと待っていてくれた。


 たまに俺が解読できないときは手伝ってもらった。


 本当に実莉は優しい子だと思う。

これからはちょくちょく手帳が出てきます。

なんせ手帳はキーワードですから(笑)

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