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生と死を考えて
《なぜ、自分が助かったのか?》
《なぜ、仲間は助からなかったのか?》
俺達は、そんな考えに苛まれた。
いくら考えたところで、答えのない迷路。
俺達“生き残った側”の人間は、そんな辛さに悩まされた。
しかし、それは《生かされた》という証そのもの。
『自分は死んではいない、生きている』ということを実感できるものだった。
だから、俺達は割り切るということを選ぶほかなかった。
それは、辛い選択だったし、やってはいけないことだったのかもしれない。
しかし、俺達はそれでも尚、考えることが多かった。
《他に道はあったのではないか?》
《もしかしたら、あの時に、、、》
そうやって、これからを背負っていくしかないんだ。
そう、、、俺達は現実を思い知ったのだ。
しかし、そんな深刻な状況下、俺を支えてくれる人もいた。
それは、一緒に生死を共にした仲間であり、俺の運命を最後まで見守ってくれた友達であった。
「ありがとう、本当にありがとう」
俺はその言葉を皆に告げ、チームを解散とした。
チームの解散後、俺の中に残るのは、“寂しさ”と“実莉”だけだった。