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お偉いさん
地下1階の突入後、サックたちは1階で仕事をしていた13名のHESEのメンバーを拘束した。
それにかかった時間は、なんと5分。
しかも、13人の全員に手錠をかけてこの時間だ。
よもや「すごい!」としか言いようがない。
本当にそう思った。
だが、そんな感心ばかりもしていられなかった。
それは、13人の内、なんだか“お偉いさん”が“侵入者を知らせるためのボタン”を押したからである。
「くっそが!!」
「余計なことをしやがって!!」
そう、シグが言い放ち、“お偉いさん”に一発パンチをお見舞いした。
だが、殴ったところで何も問題は解決しない。
どうせするなら、より早く下に潜り、HESEを壊滅するということだけ…。
だから、俺は次に命令を出した。
「シグはここで待機!」
「それ以外は、俺と一緒に、さらに下に向かうぞ!」と―――――