第0.5話 不幸中の
冬の長い夜の一番深い時間帯だろうか警告音が鳴り響く
「1級警報発令中、1級警報発令中」
あたりは騒然としておりただならない緊張感に覆われていた
「お前のところの娘もうすぐだってな」 「名前とか決まってるのか」
兵隊はひそひそと隣の男にしゃべりかけた
「来月かそれかもっと早くなるかもな」「名前は奥さんと顔を見てから決めるって約束だだから性別すら俺はしらねえ」
凍てつく冬の寒さの中で鼻を真っ赤にしながら前を見て答えた
じきに大柄な男がやってきて誰かが驚いた表情とともに
「クリーグス総大将まで参加しているのか!」
そんな歓声の中前に立ち演説を始める
「本日君たちを招集した理由は施設から脱出した実験体Xの確保だ。決して殺さずできれば無傷で連れて帰りたいが反抗期らしくてな。多少は大目に見よう。健闘を祈る。」
演説が終わると一斉に敬礼が起こった。
「お前の子供も反抗期とか来るのかな、どうする?お父さんくさいとか言われたら」
男はニヤニヤしながら訪ねた
「泣いちまうよ」
空を見上げながら答えた
その会話を電柱の上で一人の少女が聞いていた。ふと誰かが視線をやるとそこには何もなくカチカチと電気はついたり消えたりして微かに白く放電していた
「電磁包囲網打ち方用意!てえ!」
各方位の戦車が打ったその球は上空でぶつかり、網にようになった
「包囲網が完全に閉じきるまでにどれくらいかかる?」
「およそ30分ほどです」
「奴は高速で動くが長い距離は動けない。20分で閉じろ。俺も前線にたつ」
そういってクリーグスは立ち去った
発見は当初では時間がかかる見込みだったが以外にも早かった
「実験体Xを発見!高速でビルの合間を動いています」
突然の報告に緊張が走る
モニターに映し出されたのは白い稲妻だけだった
「ここまで電気を操ることは本当に可能なのでしょうか?ありえない。脳が焼け落ちる。」
クリーグスの部下は問いかける
「あれは特別だ我々の思考の範疇にはいない。さあお迎えの時間だ」
そう言って羽織を脱いだ