表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

東へ

 多くの人々に見送られて6人は城門を出た。

何も無い。

ただ荒野が広がっている。

あれだけいた魔王軍が一人も見当たらない。

もちろん全滅した訳ではないだろうが、

ここまで見当たらないと逆に不安になってくる。


「一匹もいねぇな」

先頭をタンクのグレゴリーが歩いている。

右翼のザノバックが頷く。

左翼のパトリックはキョロキョロと挙動不審だ。


「何か道めいたものもないのは、

少し不安になりますね」

と、ルクセラの顔が曇る。


「ご不安でしたら、私の胸にお越しいただいても」

マーティが右手でルクセラを誘う。

ルクセラの右に俺が、左にマーティが歩いている。


「見るな、話しかけるな!娘が穢れる」

流石に父親同伴のパーティーでは、よからぬことは

起こらないだろうが、このマーティ。

気を付けねば。

ノヴァは、気を引き締めた。


歩くこと6時間、途中襲われることもなく第一の予定地

グラン砦に着いた。

まず、生存者を探せとのことだったがまったく気配がない

明らかに人がいない。

無惨なほどあちこちに血のあとが付いている。


ルクセラが神への祈りを捧げる。

気持ち空気が爽やかになったようだ。


「誰もいない」

辺りを探索したパトリックが戻ってきた。

相変わらず声が小さい。


「魔王軍の形跡はないのか」

グレゴリーの問いにパトリックは頷く。


「とりあえず今日はここで野営だな」

一応屋根はあるけど、廃墟なら野営って事になるか


「で、見張りは誰から」

グレゴリーの問いかけに


「それなら俺と娘で最初に立たせて貰おう」

「それはお父さん、私とルクセラさんで」

顔を近づけ変な顔で見つめ合う二人。


「じゃんけん」

小さな声でパトリックが提案する。


「よかろう」

なぜかグレゴリーが答える。

「では、勝者がルクセラ殿と一緒に見張りに立つ。

と言うことで」


「なぜお前がやる気満々なのだ」


「コレは王子、いなことを。

勝った者が、と言いましたが」


「ふん」

しょうがなしにじゃんけんを始めようと

するマーティが他の二人も参加する気なのをみて

ため息をついた。


結局5人でじゃんけんすることに、

最初はグー……。


「ヨッシャー!

正義は勝つんだよ。かみさまは、見ていた」

ノヴァは、両手を天に突き上げた。


「親父殿ではしょうがないか」



早めの食事の後、3時間交代で見張りにつく事になった。

「ルクセラ。気をつけよ」


「はい。どこから魔王軍が」


「そうではない。

あ奴ら四人に気を許してはいけない」


「皆さま、良い方々ですよ」


「お前は、母さんに似て人を信じ過ぎる。

世の中には、

下心満載の輩もいる事を知っておくべきだ」


「お父さまは、心配しすぎですよ」


片付けが終わると各々(おのおの)が武器の点検に入る。


「お前ら、早く寝ろ」


仕方なく横になるが、皆ルクセラの横顔をじっと眺めている。

そうこうするうちに、3時間がたちザノバックとパトリックの2人が見張りに立つ。

この2人、基本何も喋らないので

夜間静かに時が過ぎる。

そしてグレゴリーとマーティの番。

この2人は……、うるさい。

ずっとしゃべっているので、目が覚めてしまう。


「ええい。うるさいわ!

お前ら静かに番ができんのか」


「静かにしとったら寝てしまうわ」

「そうじゃ。静かにしたら寂しいではないか」

「何を言っているんだ」


そんな3人を手で制してパトリックが聞き耳を立てる。


「どうしました」

ルクセラの問いかけに


「囲まれています」

「数は?」

「たぶんそんなに多くない。10体はいないと思う」


「ルクセラは俺の後に」

「グレゴリー。死んでも守れよ」

マーティが言い終わると同時に

四方へ先制攻撃を掛ける。

話あった訳でも無ければ、

そんなルールもない。

ただ、後手になるのは良策でないと全員が動き出した。


方はすぐについた。かに見えた。

グレゴリーが、ルクセラのそばを離れ

誰もが一息ついたその時。


遠くから大岩が降ってきた。それぞれが対応する中

ルクセラの側に、どうにかザノバックが間に合った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ