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初陣

 ノヴァとエリザベスは、お互いに夜を徹して

準備を整えた。


翌朝、城にて選抜メンバーの全員が顔を見合わせた。

 まず聖剣の使い手である第三王子のマーティ・バンズが高らかに宣誓した。


(われ)こそが魔王を倒す者である!

生き残った人類よ。安心したまえ、

魔王軍の侵攻はここまでだ。

このマーティ・バンズが出る」


ちょとした間があく。


静まりかえった広間で本人は

拍手を期待していたのか分からないが、

進行の摂政の方は王子の話が終わったのかどうか

判断しかねている。



「そして我が共である面々を紹介しよう」

どうやら終わりのようだ。


第一師団より、ルクセラ・エルリック

摂政がよく通る声で叫ぶ。

名前を呼ばれてルクセラは一歩前にでた。

「白魔導士のルクセラ・エルリックです。

宜しくお願い致します」


いやらしい目で愛娘を見ている王子を

後ろで控えているノヴァは、ロックした。


第二師団より、グレゴリー・マルセル

大きな盾を背中に抱えた男が立ち上がった。

「グレゴリー・マルセル。タンク」

なんだこの毛むくじゃらの男は、ルクセラのそばにいさせたくないランキング1位じゃないか。

ノヴァは眉間にシワを寄せた。


第三師団より、パトリック・ベンハー

真っ黒い服の男が、立ち上がる。

「アサシン、パトリック・ベンハー」

よく顔が見えないが、こいつ目が血走ってやがる。

絶対に変態だ。ノヴァのシワがふえる。


次、第四師団のイアン・パーマーは

昨日魔王軍のスパイを発見。

戦闘になり。

怪我を負った為、弟弟子のノヴァ・エルリックが代わりに同行する

「黒魔導士のノヴァ・エルリックだ。

気に食わない奴は消し炭にしてやる」


皆の顔がノヴァをむく、全員血の気のおおい者たちだ。


えー、構わず摂政が次へ進行する。

第五師団ザノバック・レスリー

「モンク」

それだけかい!

テカテカの黒い体はスケベの証。

許さん。ノヴァは、全員気に食わなかった



「出陣」

王様の一声で、全員が踵を返した。


いならぶ貴族達からはガンバってだとか、頼むぞとか

後のない人類に取って最後の希望の面々に声がとぶ。


「出陣のパーティーとか無いんだな」

ノヴァが小声でレクセラに聞くと

「もう、お父さん。

そんな悠長なこと言ってるのお父さんだけよ」


娘に怒られた。

だが(ノヴァ)としては、なんだか嬉しい。



門の近くまで来ると、戦っている兵士たちの空気が

伝わってくる。

「さぁ、初陣だ。

華々しく殲滅させようではないか」

そう言うと、スラリと聖剣をぬきマーティが号令をかける


「出撃!」


いの一番で出たマーティは、いの二番で帰ってきた。


「いやー、すっごい数だぞ」

こいつ今知ったのか?

ノヴァが詠唱を唱えつつ前に出る。


ガル・フレア


最後に詠唱を終えると、業火が目の前の魔王軍を焼き払う。


「やるではないか。

次の詠唱が終わるまで俺様が守ってやる」

グレゴリーが大盾を前に仁王立ちする。


その右手をパトリックが、左手をザノバックが躍り出た。


ノヴァの大技に一瞬怯んだ魔王軍だったが、

数にものを言わせて迫る。


パトリックはものすごいスピードで相手の隙をつき、

バタバタと倒してゆく。

一方ザノバックは、力任せに振り回す拳を当てるだけで

雑兵どもはえぐられる。

 

その間にノヴァが詠唱を終え二発目の業火が、魔王軍を焼き払う。


最初こそいけるのではないかと思われた戦いも、

広い一面の一筋だけ焼き払っても、

門の左右だけ殲滅しても、

大勢に変化は無いように見える。


2時間もすれば、四人とも疲労の色が濃くなり背中越しにヒールをかけまくるルクセラも魔力が残り少ない。


どうやら魔王軍も本気を出したのか、次から次へと援軍がやって来る。


各師団は城門の上に登り、矢を放ってはいるが

一向に数が減らない相手に気持ちの面で負けそうになる。


そんな皆のガンバリとは裏腹に、最初の勢いは何処へやら城壁内で突っ立っていたマーティが再び聖剣を抜いた。


「みんな、僕の合図で後ろに下がって」


後のない四人は、理由も聞かず頷いた。


すると聖剣が光を帯びて伸びる。

ドンドン伸びる。塀を覆う程伸びた後重そうに聖剣を右手に倒した。


「下がって」


マーティの声で、四人が後へ下がる。



エクスカリバー



聖剣が唸りを上げて右手から半円を描くように左手へ振り切られる。


そこには、魔王軍の死骸も蒸発させた。

何も無い平野が広がっていた。


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