19丁目交差点にて
「なんでよ、なんでよ、なんでよ、なんでよ、なんでよ」
「落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて」
「あんたが落ち着け、あんたが落ち着け、あんたが落ち着け」
「落ち着いてるし、落ち着いてるし、落ち着いてるし」
「どうしてこんな、どうしてこんな、どうしてこんな、どうしてこんな、どうしてこんな」
「知らないし、知らないし、知らないし、知らないし、知らないし」
「どうしてこうなる、どうしてこうなる、どうしてこうなる、どうしてこうなる、どうしてこうなる」
「なにすればいい、なにすればいい、なにすればいい、なにすればいい、なにすればいい」
右往左往、右往左往、縦横無尽、縦横無尽、繰り返した。
縦横無尽は、自由な感じだから、違うか。
歩くとハマる。進むとハマる。
だから、ここら辺をずっと、行ったり来たりしていた。
進んだら、増えていった。
丁目の数が、増えていった。
もう、19丁目だ。今は、19丁目交差点にいる。
他の2丁目が、目的地なのに。
3丁目になったとき、引き返してはみた。道を、そのまま戻って。
なのに、4丁目に来ていた。それで、なんやかんやで、19丁目まで来てしまった。
「あれっ。あのコンビニ、名前が【エスケープ】だよ」
「脱出、できるかもね」
「あっ、あっちの薬局の名前は【ラビリンス】だよ。たぶん、ラビリンスは、いい意味だったよな。行く?」
「行かないよ。もっと、迷いそうだから」