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因果継承  作者: ツヨシ
7/7

――やっぱり!

その時、声がした。

「あいつらが来たぞ」

「心配するな。俺たちも来た」

気づけば父と祖父が木梨の左右にいた。

木梨は周りを見た。

真っ白な空間にいる。

工場から通りに出たはずなのに。

「あれだ」

「あいつらだ」

見れば目の前に作業服を着た男が二人立っていた。

そして憎悪そのものの目で木梨を見ている。

男が言った。

「おや、助っ人が来ているぞ、二人」

「二人とも、俺らが殺した奴じゃねえか」

父と祖父が言った。

「確かにお前らに殺されたが、今度はそうはいかないぞ」

「今度は俺たちが、おまえらを叩きのめしてやる」

木梨が男たちに言った。

「おい、どうしてこんなことをするんだ。ひい爺さんのことは俺たちとは関係ないぞ。産まれる前の話だ」

二人はお互いの顔を見た後、笑いながら言った。

「産まれる前の話だあ。そんなの知ったこっちゃないね。おまえのひい爺さんに俺らはひどい目に合ったんだ」

「胸を患って寝たきりになり、長く苦しみながら死んだんだぜ」

「だから一族みんな、呪ってやろうと思った」

「社長を殺した後も、孫子の代までたたってやると決めたんだ」

「孫子どころか、少なくとも七代はたたってやるけどな」

「だから子供が産まれるまで待ってやったんだ」

「子供が産まれる前に殺したら、呪う子孫がいなくなってしまうからな」

そして高らかに笑った。

父と祖父が言った。

「残念だったな。こっちは三人いるんだぞ。どういうことか、わからないのかい」

「おまえら二人じゃ、勝ち目ないってことだ」

二人が笑うのを止めた。

そして低く言った。

「俺らはみんなの代表なんだ」

「社長にひどい目にあったのは、二人だけじゃないぜ」

すると二人の後ろに現れた。

同じ作業服を着た男が。

その数は、十人はいた。


木梨は路上で倒れているところを発見された。

もがき、苦しみ、わめき、叫んでいた。

病院に行ったが原因は不明。

総合病院に大学病院まで行ったが、医者には何もわからず、どうすることもできなかった。

木梨はずっと見るに堪えないほど苦しみ続け、五日後に全身の穴という穴から血を流し、息を引き取った。


       終

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― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)すごく読み応えのあるホラー作品でしたね。すごく大好きでした。オチで救われたらホラーよりかホラー要素の入ったSFじゃんってなると思うんですけど、最後はあの展開。まごうことなきホラーです…
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