1-1【編集中】
いつの間にか頭痛と吐き気は消し飛んでいた。
「も・・・・し。もし・・・ー・し!」
「!?」
ベットのほうから声が聞こえる。
この状況から考えるに、先ほどの生首が話しているのだろう。
俺は無視することができずに、声のする方へと這いつくばった。
よく見ると、俺の首から上が目の前にある。
落雷の光で俺の顔がよく見える。
顔面越しに互いに驚く。
そして、俺が俺の首を投げ、自分の顔を触る。
やけに「小さい」?
それに肌触りもよい。
そして、洗面所へ戻り鏡を見ると。
見たこともない少女の姿が見えた。
そして下腹部を触ると
「ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
そして
「こらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺の顔がものすごい怒鳴り散らす。
「なに触っとるんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺の生首がものすごい叫んでる。
なんなんだこの状況は?
理解が追い付かない。
そして足に力が入らない。
やはり、何かされたのか?薬でも投与されたのだろうか。
すると、俺の顔が話す。
「おっほん、驚くのは仕方ないわ、とりあえず、私の話を聞いてほしいの」
「うわ気持ち悪っ」
俺が女性口調で話している、いかんまた吐き気が・・。
「うるさいわね! とにかく聞きなさい! 信じられないかもしれないけど、あなたは今、私の肉体になっているのって、あああああ!」
わけがわからん、とりあえず身体を確認する。
四肢はついているが、足に力が入らない。
髪は長く、サラサラしているのが気持ち悪い。
そして眼下に脂肪がついている。
胸筋ではなく、これは乳か。
触ると軟らかく、握ると痛みがあった。
夢ではないのか、痛みがわかる。
「こらこらこらこらこぁぁぁぁ! 私の体をさわるなぁぁぁ!」
俺をにらみつける俺。
まさかな、いまだに理解ができない。
入れ替わりなんて、フィクションだろう。
そんなものは信じられないし、第一なんで俺の方は生首なんだよ。
しかも、その生首が話ができるんだよ。
先ほど壁に投げつけた俺の首が転がって近づいてくる。
「とりあえず、おちついて。私の話を聞いてほしいの」
俺は、転がる生首を受け止めると。ガラス瓶を持ち上げた。
「いや、重!」
持ち上げられない。
仕方なく、タイル張りの床に起こして置いた。
「とりあえずありがとう。ええと何から説明すればいいのかしら・・・」
俺の生首は言葉を探すように視線を泳がす。
普段見ていない自分の顔だけに、気持ち悪い。
「まず、今はなしているのは、あなたの首でいいのかしら?」
「・・ああそうだ。」
「わかった。じゃああなたは私の顔を知っている?」
「いや知らない」
「次ね、あなたは自分の事はわかる?」
自分の事だって?
俺は?
俺は、俺は誰だ?思い出せない。
「思い出せない・・・。俺は誰だ?」
俺の生首がやっぱりなという表情で目を閉じた。
「そう・・。答えてくれてありがとう」
「・・・・・・」
本当にこれは現実なのか?
信じられない状態だが、俺はどうやら生きているようだし、心臓も動いてる。
「だから、私の胸触らないでっって!」
「・・そうか、すまない」
言葉が見つからなかった。
こんな状況で俺の生首に何を話せばいいんだ。