超能力を持たない異常な者と相手の能力を消すことのできる超能力を持った天才二人の物語
高校の下校中、歩いていたら突然頭上が暗くなった。
いつも通り落ちてくる物を避ける。
「はぁ……」
面倒だな。どう相手をしたものか……
目の前に人の形をした狼の頭を持った化け物、言うならば狼男……とでも言いたいがこれは
「如月先輩!!行きますよ!壊してもいいですから簡単に倒されないで下さいね!」
俺、如月 幸樹の後輩、安藤 美幸の作ったロボットだ。
「あいよ、しっかし唐突だな……面倒だ。俺以外の奴で実験してくれよ……」
「いや、だって如月先輩くらいしかこの戦闘特化ロボット倒せないですよ。そもそも皆は超能力に頼りすぎて元の身体能力鍛えてないんですもん。動体視力弱すぎて良けれない人ばかりですよ!」
「そうかじゃあそんな危なっかしいもん作るな」
彼女は苦虫を噛み潰したような顔をする
「嫌ですよ。私だって超能力が周りの能力の効果を一時的に封じるだけなんですからもし身体能力でこられたら負けちゃいますし対抗手段は欲しいですから」
「分かった分かった。対抗手段としてなら仕方ない……と言うと思ったか?お前基本なんでも作れるだろ。なんでパワースーツとか作らねぇんだよ。」
「今ある素材で作れるパワースーツは身体的に負荷がかかりすぎてキツイんですよ!?それともなんですか?私に苦しめと言うんですか!」
知らなかった……
「す、すまん……後でロールケーキでも奢ってやるから……」
彼女は笑みを浮かべて
「言いましたね!絶対ですよ!ロールケーキはコンビニのやつじゃなくてカフェに行って頼みますからね!」
げ、やらかしたかもしれない。高いの奢らされる
「と、とりあえずデバックに来たんだろ?早く始めようぜ……?」
帰り道でこんなほぼ毎日戦うのは大変だからな……ちょっと期間置いて欲しい。帰って寝たい。
「はい。そうでした。とりあえず行動ON!」
そう言って彼女の持ってたボタンを押す。
『ハイジョ、ハイジョシマス』
セリフが前と変わってないな。手抜きか?
その狼男風のロボットは動いた。
次の瞬間には俺の目の前に居た。
そのロボットの頭はもう無かった。俺の手にはそのロボットの頭がある。つまり俺が壊した。うん。
ロボットは電気のようなバリバリと言う音を立てて倒れた。
「つ、強い……やはりこれでも勝てませんか……どうしてそんな動体視力と身体能力を持ってるんですか……本当の化け物ですね」
「悪かったな化け物で。と言うか今回のこいつ弱すぎる。前の奴ほうが直線距離で突進してこない分まだ強かったぞ?」
「まぁ前は銃タイプで作りましたけどそれも先輩が弾丸を手で掴んで近づいて本体を粉砕してましたけど……あれ?よくよく考えたらもう超能力を使わないでできる人間の領域超えてないですか?」
「いや、俺は一般的な人間だよ。ただちょっと身体能力とかが高いだけ」
「そうなんですかーなるほどー」
ジト目で見られる。いやナンモカクシテナイヨ。まあ隠してるけど。
「まあいいです。聞きません。とりあえず喫茶店に行きましょう。ロールケーキ奢ってもらいますよ!」
「げっ覚えたのかよ。分かった。行くか」
「はい!」
これは超能力が使える科学の発達した世の中で、ただ1人の超能力を持たない異常な者と相手の能力を消すことのできる超能力を持った天才二人の物語