レストラン
私はいつの間にかこんなところまで来ていた。
見たこともない森の中に立っていた。
「私、何してたっけ?…」
「はっ…」
思い出した。
親と喧嘩して無我夢中に走って家を飛び出した。
…ことだけは思い出した。
「ここはどこ…?」
急いでポケットを触るが携帯の感触が無い。
「どうしよ…」
途方に暮れた私はとぼとぼ歩き出した。
何分経っただろうか…
周りが暗くなり、気温も落ちてきた。
「…寒すぎる。」
私はボソッと独り言を呟いた。
疲れ果てて座ると森の奥に灯りが見えた。
私は急いで灯りのある方向に向かった。
その建物の前に着くと美味しそうな匂いが漂ってきた。
疲れお腹の空いた私は恐る恐るノックをしドアを開けた。
チリンチリンとドアについているベルの音が建物内に響き渡った。
「あ、温かい…暖炉もある…」
「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」
「あ、ひ、1人です…」
お店だとは知らずに入った私は申し訳なく返事をした。
ウェイターさんは、ご案内します。と、一言いい歩き始めた。
「こちらの席でよろしいですか?」
ウェイターは2人席の前に立ち止まった。
「は、はい、大丈夫です…」
「ご注文お決まりになりましたらお呼びください。」
それにしても真顔すぎる。
猫耳もついているし…
何者なのだろう…
私は携帯が無いことを思い出した。
「もしかして…」
案の定ポケットには財布が無かった…
「あのっ、店員さん、すみません、財布がなくて…」
「あら、困りましたね…」
私はここに辿り着いた経緯をウェイターに話した。
「そんなことがあったんですか。」
と言いながらウェイターはお店の奥に入った。
10分ほど経ったのだろうか。
パスタとスープと紅茶を持ってきてくれた。
「どうぞ、今回はサービスです。」
「あ、ありがとうございます!」
「こちらの紅茶はコーヒー自動販売機から出されたものです。」
「は、はぁ、なるほど…」
「こちらのパスタソースには批判的なトマトを〜…」
料理の具材の説明だと思うが理解ができない…
それから時間が過ぎ全て食べ終わった。
「ごちそうさまでした!」
「お気に召したようで何よりです。」
「最後にお名前だけでも教えていただけませんか?」
「私の名前はねこです。」
「ねこさん、ありがとうございました!」
「家までお気をつけてお帰りください。」
ドアを開けるとチリンチリンとまたベルが鳴り響いた。
そこからどうやって帰ったのか分からないが家に辿り着いた。
「た、ただいま…」
「こんな時間まで帰ってこないから心配したよ。電話かけても家の中から鳴り響いてたしからね…」
よかった、怒ってない。
「こんな夜まで何してたの?」
「ねこがいたの!」
「お腹空いたでしょ?作っておいたよ。」
「やった!ねこです。お母さんの料理好きなんだよね!」
「温めるからその間に着替えてきなさい」
「うん!わかった!ねこはいますねこですねこはどこにでもいますそこにもここにもいます」
「ちょっとあなたおかしいよ。ねこがいました。」
登場scp
SCP-040-JP ねこです
SCP-294 コーヒー自動販売機
SCP-504 批判的なトマト
special
ねこのSCPレストラン
ねこのSCPレストランさんをモチーフにして書かせていただきました。初心者で描きなれてないので下手です。