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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第四章 行商仕入れ旅編
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第六話 まさか、転生者だったりして

僕達は馬車に揺られ、北に向かって旅を続けている。


「シャルロッテ、スピードを落としてくれ!」


僕がそう言うと、シャルロッテはスピードを落とした。

体力が有り余っているのか、相変わらずスピードを出し過ぎてしまう。


「シャルロッテ、ありがとう。もう少ししたら、お昼ご飯だからな」


「ヒヒーン!」



僕達は街道脇の開けている場所に馬車を止め、昼食を取る事にした。


「シャルロッテ、お疲れ様。あまり、暴走しないでくれよ」


「ヒヒーン!」


シャルロッテは、首を縦に振って僕に顔を摺り寄せて来た。


「前から思ってたんだけど、シャルロッテは僕の言葉を良く理解しているな。まさか、転生者だったりして」


シャルロッテは、首を縦に激しく振った。


「嘘だろ! 本当に転生者なのか?!」


また、首を縦に激しく振った。


そんなところに、シロンがやって来た。


「ご主人、やっと気が付いたニャ。シャルロッテは、元日本人ニャ!」


「シロン! 知ってたなら、早く言えよ!」


「シャルロッテは、ライバルニャ。ご主人に、メロメロニャ!」


「ヤキモチか? シロンは、意外と意地悪だな」


「そうニャ! 女の戦いニャ! そんでもって、ご主人はシロンのものニャ!」


「僕は、シロンのものじゃないぞ。僕は、僕のものだ」


「そんなのつれないニャ」


「それで、シャルロッテは人の言葉を話せないんだよな?」


「その通りニャ。けど、シロンには分かるニャ」


「そう言えば、シロンは《動物語》スキルがレベル2だったな」


シャルロッテが元日本人だと知って、扱い方を考えないといけないと思った。

それにしても、元日本人の転生者が多すぎる。


「シャルロッテ、気付いてやれなくてごめんな。これからは、元日本人として接するよ」


「ヒヒーン!」


シャルロッテは僕に近付き、いつもより激しく頬ずりをした。



お昼ご飯はシロンのリクエストで、稲荷寿司を作った。


オーソドックスなのと、刻んだ梅干しと紫蘇、しらすと胡麻、生姜の甘酢漬けなんかを酢飯に混ぜたのも作ってみた。

のんびりと料理をしてられないので、もちろん錬金術の《調理》能力を使った。


シャルロッテには、飼葉とバナナとパイナップルを与えた。

飼葉は錬金術でも作れたが、街や村で購入した物を食べさせている。


「ご主人、稲荷寿司美味しいニャ!」


「ヒヒーン!」


シロンとシャルロッテは、ご飯を食べて喜んでいる。


僕も食べてみる。


「うん、美味しいな」


「コン!」


稲荷寿司を食べてると、一匹の子狐が現れた。

エシャット村では見た事が無かったが、この辺りにはいるらしい。


「モフモフで、可愛いな」


「シロンの方が、モフモフで可愛いニャ! 動物枠は、もういっぱいニャ!」


「ヒヒーン!」


シロンとシャルロッテが、何か言っている。

だが、僕はそれを無視して、子狐に話し掛ける。


「お腹が減ってるのか?」


僕は稲荷寿司を一つ、皿に置いて差し出した。


「るーるるるる、るーるるるる」


そして、ドラマのまねをして子狐を呼んでみた。


すると、子狐はこちらに駆け寄り、稲荷寿司を食べ始めた。


「コン!」


子狐は食べ終わると、こちらを見て鳴いた。


「はは、可愛いな。もう一つ、食べるか?」


「コン!」


子狐は、僕の言葉に返事をした。


「このパターンは! まさか、転生者だったりして」


「違うコン!」


「こいつ、喋っちゃったよ。でも、違うって何だよ!」


「教えないコン!」


「稲荷寿司をあげるから、教えてくれよ」


「駄目コン! でも、稲荷寿司食べたいコン!」


「分かったよ。あげるよ」


僕は皿の上に、もう一つ稲荷寿司を置いてやった。

その時に、こっそり《鑑定》をしてみた。


「あれ、見えないや」


こんな事は、初めてだった。


「美味しかったコン! ご馳走様コン!」


そういい残して、子狐は草原に消えていった。

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