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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第三章 お嬢様レベリング編
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第二十九話 ニコルの下心

僕達は海産物を買い終え、昨日僕が見つけたキャンプ地に来ていた。


海もそうだが、この場所も快晴だった。


目の前には滝があり、辺りはマイナスイオンに包まれていた。

夏の日差しは強いが、木々に囲まれさわやかに感じる。


「この場所、素敵です!」


「気持ちいいニャ!」


「てっきり、海でキャンプすると思った。よく見付けたわね」


「まーね。《検索ツール》であたりをつけて、目視の短距離転移を繰り返して見つけたんだ」


「今まで行ったところで、キャンプのできそうな場所は無かったの?」


「あるけど、知らない土地で転移できる場所を増やしたかったから、丁度良かったよ」


「ふーん。でも、ニコル君。私達のあれを期待してない?」


「あれ? 何の事?」


「惚けるの? 水着よ、水着。目の前のこれって、天然のプールじゃない!」


そう。ここの滝壺は、エメラルドグリーンの天然のプールになっていた。


「えっ、水着着るの?」


「ニコル君。私にウソは、通用しないわよ!」


「ぎくっ!」


「期待してたわよね!」


エミリを誤魔化せないので、観念した。


「はい、期待しました」


「それも、ユミナの水着姿を!」


「そ、それはちょっと、言い辛いんですけど」


「ふん。尋問は、これくらいにしておくわ。出しなさい。水着」


「ほんとに着るの?」


「着るって言ってるでしょ。ユミナも着るわよね。誰もいないんだから」


「えっ、ちょっとエミリ、何言ってるのよ。ニコル君がいるでしょ」


「ちょっと、ユミナ。こっちに来なさい! ニコル君は、ここで待ってて!」


エミリは、ユミナを連れてどこかへ行ってしまった。



しばらくして、二人は戻ってきた。


僕はその間、テーブルや調理道具、バーベキューコンロとピザを焼く石釜を用意していた。


「ニコル君、お待たせ。ユミナを説得したわ。水着を出してちょうだい」


「あっ、うん。そうなんだ。水着だね。今、出すよ」


そう言って、《亜空間収納》から様々な種類とサイズの女性用水着を取り出した。

これらはもちろん商品なのだが、この世界ではどうも《破廉恥》らしくて、この先売る機会があるか分からないでいた。


「ニコル君、いろんな意味で凄いわね」


「どれも、大胆です。羽織る物が欲しいです」


「それじゃ、パーカーを出すよ。ついでに、着替え用にバスタオルも」


そう言って、パーカー数種類とバスタオルを取り出す。


二人はいくつか選んで、再び姿を消す。


「ご主人、シロンの水着は無いのかニャ?」


「お前、猫だろ。そんなの無いし、作らないぞ」


「そんニャー」


シロンは、猫のくせに水は大丈夫だった。だけど、水着はどうかと思う。


僕は二人を待つ間、炭火を起こしていた。


ピザもバーベキューも、炭火の準備さえしとけば、それほど時間が掛からない。

調理を失敗しても、いざとなれば僕の《錬金術》が出動する。



しばらくして、再び二人が戻ってきた。


「ニコル君、お待たせー!」


「お待たせしました」


「やっと戻って来たね。二人とも水着似合ってるよ」


「当然でしょ」


「ありがとうございます」


エミリは堂々としているが、ユミナは声が小さくなっていた。

二人ともパーカーを羽織っているが、ユミナの場合パーカーの前を閉じてるせいで窮屈そうだった。


こういう場合、余計な事を絶対言ってはいけない。

誰かの気分を害す危険があった。


「ニコル君、準備はほとんど終わってるね」


「そうだね。あとは食材の下処理と、食べやすい大きさに切るくらいかな」


「それは、エミリと二人でやりますから、ニコル君は自由にしててください」


「それじゃ、お言葉に甘えて散歩してくるね」


「シロンも行くニャ」


そうして、シロンと散歩に出掛けようとした時、ユミナの様子が突然おかしくなった。


「スタンピード」


ユミナが、不吉な言葉を発した。

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