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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第三章 お嬢様レベリング編
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第二十五話 明日の心配

僕達は貴族の子弟達から逃れ、《転移魔法》で借家に帰った。


「ニコル君、さっきは怒ってごめんね。言い過ぎた」


「謝らなくていいよ。僕は護衛として失格だし、男らしくない行動だと自覚してる。それに、ピンチに現れるヒーローじゃない、という事もね。エミリがユミナを連れ出して来なかったら、僕はまだどうしていいか悩んでたよ」


「二人共、この話しはもうよしましょ。これは私の問題で、ニコル君に迷惑は掛けられない」


「「うん」」


ユミナの沈んだ表情を見て、二人は頷く。


「でも、二人だけで街に出たのは軽率だったわね」


「ごめんね。私がニコル君が帰るのを、待てなかったから。まさかフードを被ったのに、声で気付く人がいるとは思わなかったの」


「声で、あの子爵嫡男にばれたんだ」


「はい。近くにいるのに気が付かなくて、会話をしていたところを」


「そういう事だったんだ。だけど、さっきユミナも言った通り、この話はもう終わりにしようね。王都でケーキを買って来たから、みんなで食べよう」


「「ケーキ!」」


「食べる、食べるー!」


「私、紅茶を淹れますね」


「私、シロン起こすー!」


シロンは、僕らが帰って来てもリビングで寝ていた。



僕達はケーキを食べ終わり、寛いでいる。


みんなは、『美味しかったー』と言って満足げにしていたが、僕は明日以降の事を考えていた。


『明日、ダンジョンに行く時が危険だ。あの子爵嫡男の性格だと、見張りを立ててそうだ』


『ここからダンジョン下層へ直接転移すれば、安全なんだけど・・・』


「ねえ、君たち。夏休みの宿題は無いの?」


「ありますよ。エミリと夜寝る前に、毎日少しずつやってます。もう少しで、終わりそうですけど」


僕の思惑は外れた。彼女達は僕の知らないところで、ちゃんと宿題をしていたらしい。


「そうなんだ偉いね。あのさ、明日も休みにしない?」


「やっぱり、あの人達の事が気になるんですね」


「うん。君達に危害を加える事はなさそうだけど、バッタリ合って付きまとわれると行動し辛いしね」


「私は、休んでも大丈夫ですよ」


「私もー。想定したより大幅にレベル上がってるし、しっかり休んでまた頑張るー」


「良かった。じゃあ、明日休むとして何して過ごすかだね」


家でゆっくりしても良かったが、彼女達の希望を聞いてみた。


「定番の温泉ー!」


「私は、みんなに任せます」


「マグロが食べたいニャ!」


「エミリ、温泉なんてこの辺にあるのか?」


「知らなーい」


「なんだ、知らないのか」


「だって、ラノベなんかだと定番でしょ《温泉回》。それに、ニコル君ならなんとかしちゃいそうだし」


「エミリがどういう物を望んでるか分からないけど、家の風呂のお湯を温泉に変える事はできるぞ」


「い、や、だっ! 雰囲気と料理を楽しみたいのよ!」


「それじゃ、無理だな。温泉旅館なんて、行った事も無いし」


「ご主人、マグロはどうかニャ」


「さすがに、この街に売って無いだろう。どうしても食べたいなら、川魚をマグロに変えてやろうか?」


「嫌ニャ、本物が食べたいニャ!」


「ちょっとー、ニコル君。さっきから、考えがズレてるわよ」


「そうだね。ごめん」



定番と言えば《夏休みの海》を提案したが、この世界で水着が普及してないので却下された。

僕が水着を持っていたのだが、ユミナが周りの人の目を気にしていた。


『勉強の息抜きに、これで遊びなよ』と、錬金術で作った《トランプ》を渡したら、エミリから『もっと、早く出しなさいよ』と、言われてしまった。


このトランプは、今のところ僕の村でしか普及していない。

遊び方のマニュアルを、まだ作ってないのだ。


村人には、僕が一緒に遊びながら説明している。

そのうち、マニュアル付きでダニエル商会に卸す予定だ。


「ご主人、シロンもトランプしたいニャ」


「シロンは、トランプ持てないだろ」


「何とかしてニャ」


「困ったな。考えてみるよ」


僕はシロンの為に、《トランプカードスタンド》を作った。

シロンが直接トランプを持つ事はできないが、周りの人が手伝えば何とか遊べる。

肉球でトランプが持てるアイテムでもあれば、良かったんだけどね。



その後だが、ユミナの買物は済んでおらず、代わりに僕が買いに行く事になった。

子爵嫡男対策で、カツラと伊達眼鏡で変装をして出掛ける事にした。


ついでに、騒ぎの後の様子を見て来ようと思う。

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