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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第三章 お嬢様レベリング編
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第二十二話 苦戦

午後になって、魔法主体の戦闘に切替え、二人と一匹は早々に苦戦していた。


「やっぱりこいつ、私の魔法じゃ効かないよ!」


上の階層に行く予定だったが、学園の高レベルの上級生達と鉢合わせしてしまう可能性に気付き、引き続き地下十一階にいる。

ユミナは、どうやら上級生にも人気のようだった。


「《雷》」


『バシッ!』


「当たらないニャ」


シロンの魔法のコントロールは、いまいちである。


僕の方は守備に徹し、《魔法の盾》で彼女達を守っている。


最近魔法を覚えたばかりなので、僕も魔法で攻撃をしたくてむずむずしていた。

雇われの身なので、彼女達の為に我慢している。



彼女達が苦戦している原因は、魔法の威力の他にもう一つあった。


二人は学園の授業を想定し、呪文を唱えていた。

ユミナは『《詠唱短縮》の癖がつくと、呪文を忘れそう』と、嘆いている。


「エミリ、頑張って。魔眼を活かして、弱点を突くんだ」


「そんな事言っても、タイミングを取ったり精度を上げて狙うのは難しいの!」


このクラスの魔物だと、やはり魔法だけでは大変そうだ。


「早くしないと、他のも集まってくるよ」


「分かってるって! ちょっと、ユミナもシロンも頑張って!」


「《放電》猫パンチニャー!」


「ガーッ!」


トロールの動きが止まった。痺れているみたいだ。


「シロン、いいぞ! 動きが止まった」


「褒められると、照れるニャ!」


シロンは授業とか関係無いので、《詠唱短縮》を使っている。


「*****、*******、*****、*******、*******、光線!」


「ウガーッ!」


そこに、ユミナの《光線》が、土手っ腹を貫通する。

これは、《光属性魔法》がレベル2になって覚えた、攻撃系の魔法である。


「ほら、エミリ! お膳立ては、済んだぞ。止めだ」


「分かってるわよ!」


そう言って、呪文を唱え始めた。


「*****、*******、*****、*******、*******、火矢!」


「ギャーッ!」


《火矢》は、トロールの右目を貫いた。


「*****、*******、*****、*******、*******、火矢!」


「ギャーッ!」


「*****、*******、*****、*******、*******、火矢!」


「ゴワッ!」


続けて、二本目を左目、三本目を口内に打ち込んだ。


「まだ、息があるわね。ニコル君、剣を使いたいんだけど」


「えっ、使っちゃうの?」


「このままじゃ、効率が悪すぎる。剣に魔法属性を持たせれば、いいでしょ?」


その言葉に、僕は悩む。


「んー、そうだね。止めに使う分にはいいかな」


「やったー! ユミナ、シロン、ちょっと待ってて!」


「「分かった(ニャ)!」」


エミリは《魔法のポーチ》から剣を取り出し、杖を剣に持ち替えている。



「《雷》」


「*****、*******、*****、*******、*******、光線!」


エミリが準備する間、ユミナとシロンが間を繋ぐ。


「ユミナ、シロン、お待たせ! 《身体強化》もしたから、バッチリよ!」


エミリは剣に炎を纏わせ、最近覚えた《身体強化》スキルまで使った。

はっきり言って、ここまで弱ってるトロールに、《身体強化》スキルまで使う必要は無かった。


『ズバッ!』


剣の横一線で、トロールの胴体を真っ二つにした。


「やったわ!」


「やったわね!」


「やったニャ!」


「でも、時間が掛かり過ぎね。今度から、ニコル君も攻撃してよ。たくさん倒して、経験値を稼いだほうがいいでしょ」


「それはそうだけど」


「ニコル君、私からも《お願い》します」


「どんどん、レベルアップするニャ」


ユミナの《お願い》が発動した。僕はこれに弱い。


「分かったよ」


その後魔法主体の攻撃の間、みんなが一通り魔法を使ってから、僕が止めを刺す事になった。

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