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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第三章 お嬢様レベリング編
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第二十一話 ご主人、いいアイデアニャ!

僕達は階段を降り、直ぐに転移で借家へ帰った。


「ニコル君、格好良かったねー」


「うん。ニコル君、素敵です」


「ご主人、男前ニャ」


「褒めても、何も出ないよ」


「ニコル君も、ああいう男らしい一面もあったんだ」


「今回、相手があれだからね」


「相手ですか?」


「あいつら、チンピラみたいだったでしょ。だから、強気に出れたんだ。貴族に同じ事をやったら、不味いからね。いくら僕でも、覚悟がいる」


「ご主人、相手で態度を変えるニャ。がっかりニャ」


「そんな事、言うなよ。それにエミリに何かあったら、ラングレイ伯爵が黙ってない気がしたんだよね。あいつらは当然だけど、僕も処罰されそうだ」


「ふーん、そうなんだ。せっかく褒めたのに、残念」


僕は余計な事を言って、評価を落としたみたいだ。



「明日は地下十一階のトロールが相手だけど、今の感じなら大丈夫そうだね。オーガより力が強く頑丈だけど、動きは遅いからかえって戦い易いかも」


「そうね。この剣なら、トロールもへっちゃらね」


「頑張ります」


「任せてニャ」



翌日の朝。


朝食を食べ終わり、僕達は早速地下十一階へ転移した。


そして、僕は彼女達に戦闘の指導をしている。

教える程経験を積んでいる訳じゃないけど、エミリに『ニコル君なりの考えでいいから、教えて!』と、言われてしまった。


どうやら、昨日の僕の戦闘を見て思い付いたようだ。

『護衛に指導は含まれてないよ』と思ったが、ユミナの《お願い》も発動して、従うしかなかった。


「エミリ! 相手がトロールだからって、終始力が入り過ぎてる。剣の性能を当てにし過ぎだ。肩の力を抜いて剣は鋭く振り抜くんだ!」


「分かった!」


「ユミナ! トロールは力が強い。今の君じゃ、魔法の盾で攻撃をそのまま受けても力負けする。片足が上がったところをブロックしてバランスを崩したり、顔にぶち当てて注意を逸らしたり、自分で工夫をするんだ!」


「はい、分かりました!」


「シロン! スピードを活かして、トロールを撹乱するんだ。エミリが攻撃する隙を作るんだ!」


「分かったニャ!」


「みんな! 魔物だけ見るんじゃ無く、見方の動きも良く見て連携して!」


「「「はい(ニャ)!」」」


僕は個の力を上げると共に、連携をしっかり取るよう指導している。

今は大丈夫でも、深い階層で魔物は一層強くなる。

パーティーの人数が少ない分、連携が大事になるはずだ。



その日の夕方。


「ねえねえ、ニコル君。どうだった?」


「うん、みんな良くなったよ。もう一頑張りだね」


「もう一頑張りか。ニコル君、厳しいね」


「ハハッ。ところでエミリ、剣ばかりで魔法を使わなくていいの? 魔法科なんだろ」


「そうね。魔法のレベルが、全然上がってないのよね。魔法科なのに駄目ね。でも、この階層だと効き目が無さそう」


「それじゃ、もう少しレベルを上げたら、上の階層に戻って魔法主体で戦闘しようか?」


「うーん、そうね。そうしましょ」



一週間後。


同じ地下十一階で、トロールを相手に現行陣形での戦闘の確認をしていた。


「いい連携が、とれてるんじゃないか? エミリの剣も鋭さを増してる。昨日一日休んだのが、良かったのかもな。予定通り、午後から魔法主体で行こうか?」


「了解。魔法は、ユミナに遅れをとってるから頑張る」


「私は、剣を扱えないから」


「でも、学園の成績は、いつも負けてるしね。ますます、差が付いちゃう」


「僕も《魔法盾》を使うから、シロンも魔法を使おうか」


シロンは、なぜか魔法を積極的に使わなかった。


「シロンも、魔法かニャ?」


「せっかく《雷属性魔法》を使えるようになったんだから、もっと有効に使おうよ」


「《猫パンチ》を極めるつもりニャったけど、ご主人が言うニャら、魔法も頑張るニャ」


シロンにも、拘りがあったようだ。初めて知った。


「《猫パンチ》に、《雷》を纏わせたらどうだ?」


「ご主人、いいアイデアニャ!」


シロンも、魔法を使う気になってくれたみたいだ。

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