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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第三章 お嬢様レベリング編
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第十八話 男はサラダだけじゃ、満足しないニャ

今はもう、日が沈もうとしていた。


僕がシロンの壁のすり抜けを和みながら見ていると、エミリからお呼びが掛かった。


「ニコルくーん、シローン、ご飯よー!」


「分かったー。今、行くー!」


自室からダイニングルームに向かっていると、外から声が聞こえたので窓から覗いてみた。


「人の通りが、いつもより多いな」


ユミナ達は食卓に料理を並べていたが、気になったのでその事を話してみた。


「外が、いつもより賑やかだね」


「あれは、貴族の子弟の学生ね。王都の連中が、やっと着いたんじゃないかしら」


「そうなんだ」


「ニコル君。貴族の家の男子は卒業後就職を有利にするのに、夏休みを利用してダンジョンで能力を上げようと必死なんです」


「そうなんだ。でも、家督を継ぐ後継者には必要なさそうだけど」


「貴族の当主を継げたとしても、色んな意味で力が無いと、王国内での要職に就くのが難しくなります。その結果、その家が衰退する事もあります」


「へー、貴族も大変だね」


「王都の周りには五つのダンジョンがあり、夏休みの間多くの学生はそのうちのどこかに行きます」


「五つもダンジョンがあるんだ。僕は、ここしか知らなかったよ」


それを聞いて、『他のダンジョンに行ってみるのもいいな』と思った。


「この辺は、貴族の別荘があるみたいだから、そのうちもっと人が増えるわよ」


「という事は、あの子爵嫡男もいそうだね」


「そうね。警戒したほうがいいわね」


「ラノベのテンプレだと決まってトラブルが起きるんだけど、ユミナの《未来視》スキルで分からないかな?」


「そこまで万能じゃないので、些細なトラブルはスルーされるようです」


「そうか、残念。子爵嫡男がここを嗅ぎ付けて、尋ねて来そうだったから」


「私達がこの街にいる事がばれたら、貴族なら調べようと思えばいろいろと手段はありそうね」


「話題にしてると、まるでフラグを立ててるみたいだな」


そこでこの話題はやめ、ご飯を食べる事にした。



メインのおかずは照り焼きチキンで、僕の好きな炊き込みご飯もあった。

僕が作った味噌で、味噌汁も作ってある。


エミリが担当のサラダは、いつもと違ってゆで卵のスライスが乗っていた。

少しずつ、進歩しているようだ。


そして、みんなで食事をいただいた。


「ご飯、美味しかったよ」


「ユミナは、いい嫁になるニャ」


「あっ、ありがとうございます」


ユミナが、照れている。


「シロン、私は?」


「男はサラダだけじゃ、満足しないニャ」


「ぐぬぬっ」


エミリは、お嬢様らしからぬ様で、悔しがっている。



食事が済み、僕とシロンはリビングで寛いでいる。


食事の後片付けが終わって、女子二人がリビングにやって来た。


「片付け、終わったよー」


「終わりました」


「ご苦労様」


「お疲れニャ」


そこで僕は、強化の終わった剣と杖を、二人に渡す事にした。


「エミリ、ユミナ。これ、渡しておくよ」


「えー、もうできたんだ。ありがと、ニコル君。・・・って何これ攻撃力が三倍以上で、魔法で属性を変えられるの?」


エミリは早速、《魔眼》スキルで剣の性能を見ていた。


「ユミナも、はいっ」


「これ、ミスリルですか?」


「表面だけね」


「ニコル君、ありがとうございます」


「どういたしまして」


「ニコル君、この剣凄いね。ユミナの杖の性能も、見てあげるよ」


「うん」


「えーとね」


エミリはそう言って、杖の性能をユミナに教える。


「《魔力回復(中)》と《詠唱短縮》ですか? 凄いです。ニコル君、本当にありがとうございます」


ユミナは杖を持ったまま僕の右手を握り、もう一度礼を言った。


僕は手を握り礼を言うユミナに、照れていた。


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