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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第三章 お嬢様レベリング編
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第八話 お嬢様達の手料理

僕達は商業ギルドを出て、繁華街を歩いていた。


しかし、擦れ違う人達がこちらに視線を向けるので、なんとなく居心地が悪く、ゆっくり街を散策できないでいた。

自分で言うのも何だが、美男美女が三人とかわいい猫がいれば、目立つだろう。


そして繁華街を抜け、立派な家が多く建ち並んぶ閑静な場所に着いた。


「豪邸だニャー!」


「いやー、随分大きな家を借りちゃったよ。こんな家で、良かったのかな?」


「私達、伯爵家の御令嬢だからね。これなら、小さい部類よ」


「うっ、贅沢に大きな家を借りつもりだったのに、二人にはそうでも無いのか? 格差を感じる」


「ニコル君。私、お昼ご飯作りますね」


そんな僕を不憫に思ったのか、ユミナが話しを逸らしてくれた。


「ユミナの手料理、楽しみだ」


「ガンバリます!」


ユミナは、拳を胸の前で握り気合が入っている。


「あっ、私も手伝うー」


「えっ、エミリも料理するの?」


僕は思わず聞き返す。


「一応、女子だからね。料理できるとこ、見て貰わないと」


「前世では分からないけど、お嬢様は普段料理しないよね?」


「大丈夫。ユミナはがいれば、何とかなるって」


『何とかって、大丈夫かなー。その軽い感じが信用できない』と思ったが、口には出せない。


二人は張り切って、キッチンへ向かった。


食材は、僕が貸し出した《時間経過無し》の魔法袋に入れてある。

ユミナが、王都で揃えてくれた。


そこに『タタタッ』と、足音がした。


ユミナがこっちへ戻ってきて、『何か、リクエストはありますか?』と、聞いて来た。

僕が日本食をリクエストすると、『はい!』と頷いて、キッチンへ戻って行った。


その姿を見て、『新妻みたいで、可愛い』そんな事を思ってしまった。


当初、この街にいる間は、僕が錬金術で料理をしようと思っていた。

時間も節約できるしね。

だけど、ユミナは今回の昼食だけでなく、毎回料理を作ると言っている。


ユミナはお嬢様にも関わらず、料理が趣味らしい。《料理》スキルも、持っている。

そういう事で、料理を任せてしまった。

それに男なら女子にご飯を作って貰うって、憧れるよね。


一方、エミリの方は、料理をした事が無いみたいだ。

それでも、何故かキッチンで手伝おうとしている。

エミリが料理したら、日曜日の昼のテレビ番組の「○○○!TRY」というコーナーに出てくる素人のようで怖い。



一時間半程が過ぎシロンと寛いでいると、エミリが現れた。


「じゃーん! お待たせ。食事が出来たから、ダイニングに来てちょうだい」


「分かった。今、行くよ」


僕とシロンが、二人の待つダイニングへ行くと、いい匂いがしてきた。

テーブルの上を見ると、肉じゃがとピーマンの肉詰めと野菜スープとご飯が並べてあった。


「美味しそうだね。それに、凄く懐かしい」


「お味噌汁も作りたかったけど、お味噌が無くて代わりに野菜スープにしました」


「別に構わないよ。今度、味噌を作ってあげる」


「本当ですか? そうしたら、お味噌汁以外にも何か作りますね」


「二人の世界に入ってるわね。冷めない内に、早く食べましょう」


「早く食べるニャ」


「分かった。それでは、」


「「「「いただきます」」」」


僕は、肉じゃがに箸を伸ばし食べた。


「美味しい。これなら、毎日のご飯が楽しみになるよ」


「ガンバリます!」


ユミナは、箸を持ったまま両手の拳を胸の前で握る。


『可愛い』


「エミリは何を手伝ったんだ?」と本人に聞くと、無言でガツガツ食べだした。


どうやら料理はせず、食器を出しただけらしい。

そんなものだよね。エミリには悪いが、料理に手を出されなくて良かった。


「ニコル君は、料理ができる娘がいいんだ」


「僕は貴族じゃないから、専属の料理人がいる分けでもないしそうなるよ」


「ふーん」


エミリが、なぜか不遜な態度をとった。


「エミリは、ヤキモチ焼いてるニャ。料理を覚えればいいニャ」


シロンが、余計な事を口走った。


「ふん!」


「エミリは、貴族のお嬢様だしね。しょうがないよ」


フォローをしておく。


「ご主人、乙女心が分かってないニャ」


シロンが何か言っているが、スルーした。当たっているだけに、言い返せない。


「今度、私も作る!」


そして、エミリが料理をする事になった。

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