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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第三章 お嬢様レベリング編
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第五話 胃が痛くなってきた

倒れていた伯爵達が、起き上がってきた。


「ニコル、まだだ。私は、負けてないぞ!」


「私だって、負けていない。ニコル君、行くぞ!」


僕の心配をよそに、二人は戦闘を望んでいた。


『どうやら、死刑は無さそうだ。でも、もう一度伯爵を相手にするのは御免だ』


僕が返事に戸惑っていると、ラングレイ伯爵婦人のエマさんが、割って入る。


「グレン! あなたは負けたの。素直に認めなさい。みっともないわよ」


「いや、まだ体は動く。負けは認めん!」


「グーレーンー!」


ラングレイ伯爵は、不遜な顔をしている。


「マイク君! マイク君も諦めてちょうだい。ニコル君が、困ってるわ」


今度は、グルジット伯爵婦人のソフィアさんが、伯爵を宥めている。


「ソフィア。私は、ニコル君の魔法をもっと見たいんだよ」


「マイク君!」


グルジット伯爵は、しょんぼりしている。どうやら、婦人には弱いらしい。


「ちょっとー、もう実力は充分に見れたと思うんだけど!」


エミリさんも、間に割って入った。


「「いや、まだだ!」」


「伯爵自ら、ここまでする事ないでしょ! それに、いくらやってもニコル君に敵わないわ!」


「「ぐぬぬっ」」


この説得は、まだしばらく続いた。



説得は、ユミナさんの《お願い》で終った。

やはり、僕以外にも凄い効き目だった。


今は、広めの応接室にいる。

僕の足元では、シロンが横になっている。


「君は何者なんだ。剣も魔法も普通ではないな。まだ、本気も出していまい」


「私は農家の次男で、今はただの見習い行商人です」


「そんな筈は無い。エミリ、君は知っているのだろう?」


「えーと、そこは口止めされてるんで」


『あれ、エミリさんに口止めしたっけ? まあ、察してくれたんだろう。だが、その言い方じゃ、知っていると言ってるようなものだ』


「そうか、知っているのだな。だが、今はエミリの顔を立てて、無理に聞き出すのは止そう」


ラングレイ伯爵が、にやりと僕を見詰める。

その様子を見て、『エミリさんは、きっと父親に似たんだな』と、思った。


「それでだ、ニコル!」


ラングレイ伯爵が、眼光鋭く僕を見据える。


「何でしょうか?」


「ラングレイ家に、仕えろ!」


「えっ!」


「グレン! ちょっと、待て!」


「何だ、マイク」


「ニコル君は、私が先に目を付けたんだ!」


「馬鹿を言うな! 今日、初めて会ったんだろう。私が先に、目を付けたんだ!」


「ニコル君のあの魔法を見ただろ。威力を抑えたとはいえ、私の《テンペスト》を押し返したんだぞ。《雷撃》を連続で防ぎきった《無詠唱》の魔法盾の早さと強さと対応力も素晴らしかった!」


「それを言うなら、彼は《大剣豪》の称号を持つ私の剣を受け切り、あまつさえ私を吹っ飛ばしたのだぞ!」


「マイク君、ニコル君はユミナちゃんのお婿さんにいいと思うの。ユミナちゃんの態度を見ていて、ピンときたわ!」


「あら、ソフィア。うちのエミリも、仲よさそうにしていたわ。それにこの子、凄くかわいい。私の好みよ!」


みんなして、勝手な事を言い出した。


「ちょっと、みんないい加減にして! 今日は、そういう話しで来て貰ったんじゃないんだからね!」


「「「「いいではないか(じゃない)!」」」」


「何、四人でハモってるのよ! 今日は、夏休みにダンジョンに行く為に来て貰ってるの!」


「それは、分かってる。だが、これだけの逸材を、ほっとけないだろう」


「そうだぞ、エミリちゃん。ニコル君は、私と魔法について語り明かさねばならん。私の魔法も伝授するつもりだ」


「エミリはニコル君の事、正直どう思ってるのかしら?」


「ちょっと、お母さん」


「ユミナちゃん、負けちゃだめよ。恋愛は、積極的に行かなきゃ後悔するわよ。ガンバって!」


「お母様」


『もう、帰ってもいいかな?』僕は、そんな事を考えてしまう。


一方シロンを見ると、暇そうに欠伸をしていた。



「兎に角だ。ニコルの実力は問題無い。だが、三人だけで行くのか?」


「何か問題あるの?」


「いや、ほら、エマはああ言ったが、彼も男だぞ。何かあったらどうするんだ。せめて、戦闘メイドでも同行させないか?」


「ダンジョンは、人数の少ないほうが成長が早いんでしょ。それに、ニコル君はそういう人じゃないって、この目で視たの!」


「それを言われるとだな、否定できなくなる」


「あなた、認めてもいいんじゃない。何かあったら、ニコル君に責任を取って貰いましょ」


「うちもいいわよね。マイク君」


「うっ、そ、そうだな。ユミナ、気を付けるんだぞ」


「ありがとうございます。お父様、お母様」


「お父さん。うちもいいよね」


「分かった。認める。ニコル、二人には怪我一つさせるなよ」


「えっ、ダンジョンに行くんですよ。怪我くらいしますよね」


「それでもだ!」


「分かりました」


僕は渋々了承した。


『あーもー責任重大だ。胃が痛くなってきた』


前世で、神経性胃炎になったのを思い出した。

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