表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第二章 王都行商編
52/401

第四十話 乙女ゲーの眼鏡男子

昼飯時まで、まだ時間がある。


シロンの寝床を作った後は、午後にやろうと思っていた明日の露店の準備を始めた。

そうは言っても、準備は殆どできている。


取りあえず、最初に御釣りの確認をした。


「うん。これだけ有れば大丈夫だ。次は、子爵嫡男の対策だな」


ベッドの上に、カツラとメガネを数種類並べた。

これらは、今まで必要に駆られて、自分で作った物だ。


「どの組み合わせにするか」


しばらく考え、黒髪のカツラに黒縁の伊達眼鏡を選んだ。


「この国で黒髪は珍しいけど、僕は金髪だしガラッと印象は変わるだろう」


それらを身に付け、《亜空間収納》から取り出した姿見鏡で見ると、まあまあ別人に見える。


「子爵嫡男には一度しか会って無いから、これで充分だろう」


「後は何を売るかだな。さすがに同じ物を売れば、感づかれる可能性が高い」


いくつかある候補から、何を売るか考えていた。


すると、寝床で横になっていたシロンが話し掛けてきた。


「ご主人、何で変装してるニャ? 《乙女ゲー》に出てくる《眼鏡男子》みたいニャ」


「これか? これはな、貴族に絡まれて露店が出し辛くなったんだ。変装すれば、大丈夫だと思ってな」


「それはやっかいニャ。貴族は恐ろしいニャ」


「シロンも、何かあったのか?」


「貴族に捕まったニャ。太った叔父さんに撫でられるのは、身の毛がよだつニャ」


「それで、どうしたんだ」


「『逃げたい』と、祈ったニャ。そしたら、《壁抜け》ができるようになったニャ」


「へー、神様が願いを聞いてくれたのかな? それにしても、凄いスキルだ」


「神様か分からないけど、助かったニャ」


「良かったな。でなきゃ、今ここにいられなかったからな」


「まったくニャ。ご主人に拾われて良かったニャ」


「ところで、露店で何を売るか迷ってるんだけど、何かいい案は無いか?」


僕の中では、一般向けの食器を売ろうと思っていたが、シロンの意見を聞いてみた。


「ジャンクフードがいいニャ」


「ジャンクフードか? うーん。でも、儲けは少なそうだな」


「シロンが食べたいニャ」


「俺を利用してるだけなのか?」


「ノーコメントニャ」


「イエスと返事してるようなものだな」


「しまったニャ」


「そう言えば、《亜空間収納》にまだたくさん作り置きがあるんだよな。トルネードポテト」


「食べたいニャ」


「じゃあ、昼ごはんに食べさせてやるよ」


「嬉しいニャ」


少し遅い昼食は、《亜空間収納》の中で作ったミノタウロスのロース肉を使った特製ハンバーガーとトルネードポテトにした。


シロンは『懐かしい』と言いながら、満足そうに食べていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ