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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第二章 王都行商編
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第三十三話 原因が、ここにいたよ!

短いです。

「あー、やっと見付けたー!」


その叫びに対して、心の中で往年のギャグを呟いた後、それが自分に向けられたものかも分からず、反射的に声のする方を向いた。


「ニコル君、覚えてる? 二週間前に、露店で話し掛けたんだけど」


その叫びは、僕に対するものだった。

そして、確かに見覚えがある。かわいい二人組みだ。でも、名前何だっけ?


「ああ、最初に名前を聞かれた、えーと」


「もう一度言うわね。私はエミリで彼女はユミナ。ちゃんと覚えてね」


相手は、僕が名前を忘れたのを察してくれた。

《鑑定》すれば分かったが、こんな事では使わない。《プライバシーの侵害》だからね。


「はい。エミリさんとユミナさんですね」


「そう、それでいいわ。ところで、露店は開いてないの? あなたがいると思って来たのよ!」


「ええ、まあ。あの後、子爵の嫡男と言う人に濡れ衣を被せられて、捕まるところを逃げたんです」


「えっ、そうだったんだ。大変だったんだね。でも、何でそんな事になったの?」


「僕もよく分からないんですけど、『伯爵令嬢をたぶらかした』と、言われました。あの日のお客さんに、御令嬢がいたのかもしれないですね」


エミリさんとユミナさんが、顔を見合わせる。

そして、エミリさんが告白する。


「伯爵令嬢? 私とユミナも伯爵令嬢よ!」


「えーっ!」 


『原因が、ここにいたよ!』と、言いそうになってしまった。

よく考えると、彼女達に罪は無い。


「私達というより、ユミナが原因の可能性が高いわね。ユミナもてもてなのに、貴族の男性が苦手で社交会の誘いを断ってるもんね」


「そうですか。《可愛い》から執着するのも分かりますけどね」


「かっ、かっ、可愛いだなんて!」


ユミナさんは、真っ赤になった顔を両手で隠し、少しふらつき始めた。


「ユミナ、大丈夫? 倒れちゃだめよ。しっかりしなさい!」


エミリさんが、ユミナさんを抱きかかえた。


「大丈夫ですか?」


「なんか駄目みたい。喫茶店に入って休みましょう」


「僕もですか?」


「そうよ。ニコル君も来るのよ。あなたのせいで、こうなったんだから」


『えっ、僕が悪いの?』と、言い返しそうになったが、『無闇に女性を誉めるもんじゃないな』と、反省した。


「分かりました。僕も行きます・・・」


すべてが納得いった分けでは無いので、尻つぼみな返事になってしまった。


そして、エミリさんに連行され喫茶店へ向かった。

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