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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第十章 エステリア王国騒動編(仮)
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第二十一話 フリーデン公爵対ヤマト③

力を制御しなければ街の一つをも壊滅させてしまう《超級竜巻》を、初めて実戦で使用した。


フリーデン公爵にダメージを与える事はできないが、アーティファクトの魔力を削ぐには連続性がありうってつけだからだ。

だが僕の予想に反し、フリーデン公爵は暴風の中へ自ら飛び込んで来た。


『スタッ!』


そして再び予想に反し、その足は暴風の真っ只中で止められた。



「《魔剣バルムンク》よ。この荒れ狂う暴風を存分に味わうが良いっ!」


暴風の中、フリーデン公爵が何かを叫んだ。

その言葉は轟音に掻き消され、僕には聞き取れなかった。


『ピカ一ーーッ! ギュオーーーッ、ギュルギュルギュルギュルッ・・・・・・・・・・!!』


次の瞬間《魔剣バルムンク》が輝き出し、暴風を吸い込み始めた。

だが、《超急竜巻》を掻き消す程の勢いはない。



「何をしてるんだ?」


不思議に思いフリーデン公爵を鑑定してみると、《魔力貯蔵》アーティファクトの魔力が回復していた。


「そんな芸当までできるのか?!」


《魔剣バルムンク》は持ち主の魔法属性と同質の魔法や自然現象を、魔力に変換できる能力が備わっていた。

しかも自然現象を魔力に変換するより、魔法の方が変換効率が良かった。


今までの攻防からも分かる通り、フリーデン公爵は《風属性魔法》の使い手だ。

魔力を削る筈が、裏目に出てしまった。


『ゴウオウオウオウッ・・・・・、ヒュルヒュルヒュル・・・・・・・・・・!』


僕は直ぐに、魔法を停止させた。



「ちっ、もう終わりか!」


するとフリーデン公爵は、不服そうに舌打ちをした。


「俺が放った魔法で魔力回復とは、油断ならんな」


「気付くのが早過ぎるわっ!」


『ブンッ!』


『ビュオッ!』


『ギンッ!』


フリーデン公爵がイラつき気味に剣を振って、《風刃》を放った。

しかし僕は、剣で軽く弾き飛ばした。



「《空気弾》連射!」


『ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!』


『スパッ、スパッ、スパッ、スパッ、スパッ、スパッ、スパッ、スパッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!』


続け様ガトリングガンの様に《空気弾》放たれたが、これも目にも止まらぬ速さで切り刻んだ。



「風龍の牙」


『グガオオオオオオーーーーーーーーーーッ!!!』


「《ブラックホール》」


『ブオーーーーーーーーーーッ!』


今度は巨大な龍が、大口を開けて襲ってきた。

しかしそれを、《影属性魔法》の《ブラックホール》で頭から飲み込んでやった。


「くっ!」


フリーデン公爵は歯噛みし、攻撃は一旦止んだ。



「今度は此方が攻める番だ。《影分身》x4!」


『『『『スタッ!』』』』


「なっ! ヤマトが増えただとっ!」


僕は四人の《影分身》を出現させた。


「魔力を狩り尽くせ」


「「「「分かった!」」」」


『『『『ダタタッ!』』』』


『ガキーーーン!!!』


『ゴキーーーン!!!』


『ガイーーーン!!!』


『ゴイーーーン!!!』


影分身はフリーデン公爵を四方から囲み、オリハルコンの剣で攻め立てた。



「くっ! 多勢で攻め立てるとは卑怯なっ!」


「貴様の魔力が削れるなら、卑怯で結構」


『ガキーーーン!!!』


『ゴキーーーン!!!』


『ガイーーーン!!!』


『ゴイーーーン!!!』


「ぐあーーーっ、鬱陶しいっ! こうなったら、私の奥の手を使ってやる。覚悟しろっ!」


「何を遠慮してる。早く使え」


「おのれー、目にもの見せてやる。我が最大秘奥義、《テンペストーーーーーッ》!」


『ブブオオオーーーーーッ!!! ピカピカッ!!! ゴロゴロゴロゴロッ!!!』


フリーデン公爵は、雷鳴混じりの《暴風魔法》を放った。

威力は魔剣の能力により、《特級》にまで引き上げられている。


暴風は僕が破壊した闘技場を更に破壊し、瓦礫を巻き上げ闘技場全体を覆った。



『ガキーーーン!!!』


『ゴキーーーン!!!』


『ガイーーーン!!!』


『ゴイーーーン!!!』


「なっ、何故だ?! 何故この暴風と雷と瓦礫の中、逃げずに攻撃ができるのだっ?!」


《危機感知》スキルが働き、咄嗟に《超級結界》を張ったのだ。

ダメージは僕達に一切ない。



「《結界》? 私が放てる最上級の魔法を、いとも容易く耐えるというのか? これでは私に攻め手がないではないか!」


この時フリーデン公爵は、落胆の表情を露にした。


「無理だ。この男を倒すのは、数々のアーティファクトと魔剣バルムンクを以てしても無理だ。こうなったら魔力のある内に・・・・・、《転移》!」


『フッ!』


突然、フリーデン公爵の姿が消えた。



「何処へ行った?」


僕は《検索》スキルで、フリーデン公爵の居場所を探った。


「屋敷? 敵わぬとみて逃げたか。兎に角後を追おう。《転移》」


『フッ!』


居場所をつきとめると、直ぐに後を追った。



『スタッ!』


「フリーデン公爵、決闘中に何をしてるんだ?」


「なっ! もう追って来たのか?」


フリーデン公爵は地下倉庫で、宝物を魔法袋に詰め込んでいた。



「闘技場から逃げ出したんだ。この勝負、俺の勝ちで良いよな?」


「うっ、それは・・・・・」


「この部屋の宝、約束通りいただくからな」


僕は《亜空間収納》を展開し、宝を次々と収納していった。


「やっ、止めろー! 止めてくれーーー! これらはフリーデン公爵家代々の宝なんだーーーっ!!」


「この期に及んで、往生際が悪い。こんな大層な物を溜め込んでいるから、《独立》なんて危険な思想に及ぶんだ」


『バッ!』


そう言い聞かせ、近付いて来たフリーデン公爵の手から容赦なく魔法袋を奪い取った。

なかなか投稿できず、すみません。

執筆に掛ける余力が無くて、今後も不定期投稿となりそうです。

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